■世田谷区とのお付き合いの発端
厚生省・厚生労働省に勤務していたときは公務員宿舎住まいであった。スウェーデン勤務や北海道道庁勤務で東京を離れた時を除き、目黒区と世田谷区の公務員宿舎で暮らした。
厚生労働省を退官して、現在は多摩川に近い世田谷区上野毛に住んでいる。世田谷区民である。
1990年に厚生省の老人福祉課長となった際、全国の市町村に老人保健福祉計画を策定してもらうことになった(1990年の福祉八法改正の結果)。担当課長として、計画策定のマニュアルづくりをすることとなった。
ところが当時、東京都、とりわけ特別区である23区との情報に乏しく、接点を求めた。そこで23区の老人福祉担当課長会とのお付き合いができ、何人かの課長さんとは交際が深まり、交流が長く続いた。
厚生労働省を退官し、医療介護福祉政策研究フォーラムを2012年に立ち上げた。最初にフォーラムで「首都大都市部における地域包括ケア推進に関する研究」をすることとなり、研究会を組織した。
そこに東京都庁と特別区の職員にも参加してもらうこととなり、世田谷区の副区長であった秋山由美子さん…
ホスピス的有料が増加 タムラプランニング
タムラプランニングアンドオペレーティングがまとめた全国の高齢者住宅・施設に関する調査によると、ホスピスやパーキンソン病に対応した手厚い看護サービスを提供する有料老人ホームが増加していることが分かった。
同社は高齢者住宅・居宅サービスのデータベースとコンサルティングを提供しており、このほどTPデータ・サービス「1.高齢者住宅データ〔全国版〕」2023年度上半期号を発行した。
全国の高齢者住宅・施設全14種類(2023年4月時点集計)のうち、ホーム数ではグループホームの1万4213カ所が最も多く、住宅型有料老人ホームが1万1771カ所、特別養護老人ホーム(地域密着型含む)が1万316カ所だった。
サービス付き高齢者向け住宅の登録数は8168カ所で…
第33回 在宅医療の圏域は地域包括ケアシステム圏域
■第8次医療計画に向けた議論で
2024(令和6)年度から、介護の世界では第9期介護保険事業計画に入り、医療では、第8次医療計画が始まる。医療計画は都道府県が策定し、1次6年だから第8次は2029年度までとなる。このなかで在宅医療はどのように位置づけられるのか。
厚労省「第8次医療計画等に関する検討会」のワーキンググループ(WG)の1つ、「在宅医療及び医療・介護連携に関するWG」で議論が続けられている。
WGでの議論は、①在宅医療の提供体制、②急変時・看取り、災害時等における在宅医療の体制整備、③在宅医療における各職種の関わり、の3点に集約される。
一方、東京都は、地域の実情に応じた在宅療養の推進を図るため、「東京都在宅療養推進会議」を設置して議論を続けている。この会議は医師・看護師といった専門職、都の3師会と看護協会、行政、患者・家族など、幅広い委員から構成され、私は会長を拝命している。
「東京都在宅療養推進会議」は3月、「在宅医療及び医療・介護連携に関するWG」が提示する①~③について検討した。今回は、そのうち①について考えたい。
WGは①在宅医療の提供体制について、適切な在宅医療の圏域を設定することとしている。その前提として、在宅医療の提供体制に求められる機能を…
重症心身障害児と地域で歩む 「訪問の家」の50年③
■ターミナルに向き合う
髙橋 1993年に「朋診療所」を開設されました。そのいきさつや、医療との関わりを教えてください。
名里 神奈川県では、障害をもつ子どものほとんどが県立こども医療センターに通います。「朋」のメンバーたちも同様なんですが、ところが18歳なると容赦なく、もうこども医療センターでは診られない、次のところに行ってくださいと言われてしまいます。
次のところとは、一般の総合病院です。だけど、総合病院は障害のある人を診たことがなく、なかなか受け入れてくれません。こども医療センターの後に診てくれる主治医を探すのが大変で、自前のクリニックをもとう、となったんです。
もう1つは、進行する病気で、何回も入退院を繰り返し、どんどん状態が厳しくなってしまうメンバーがいました。その方のお母さんが日浦に「朋はどこまで付き合ってくれる?」と聞いたそうです。診療所を開く前で、「朋」には週に何回か、嘱託医が来るだけでした。
そう聞かれて、日浦は「ずっと付き合いたい。最後まで付き合いたい」と答えました。でも、本当にそうするためには医療機関が必要です。それで、施設内診療所をつくる認可を得て、嘱託医だった宍倉啓子医師に診療所長になってもらいました。所長は、今も宍倉先生です。
今、「朋」のメンバーの主治医はほとんどが病院医師で…
日本財団と府中市がヤングケアラー支援で連携
日本財団は東京都府中市で2026年3月まで3年間、ヤングケアラーの早期発見・支援提供の連携モデル事業を実施する。 ヤングケアラーを早期に発見し、支援先につなげ、支援を提供するモデルの構築と支援体制の整備を行う。...
7割が口腔ケア実施も4割が方法に不安 SMS
エス・エム・エスが介護を行う家族468人に対し、口腔ケアに関するアンケートを行ったところ、約7割が口腔ケアを行っているものの、約4割が「方法が適切か分からない」と不安に思っていることが分かった。 同社は介護で悩む人向けコミュニティ「安心介護」を提供している。5月9日の口腔ケアの日を前に、会員に対し口腔ケアに関する実態調査を行った。...
第16回 マイナ保険証は高齢者を置き去りにしないか
■患者側のメリットは確かにある
医療分野でも、いよいよ本格的なデジタルトランスフォーメーション(DX)化が始まりました。まずはマイナンバーカードを健康保険証として使用する、マイナ保険証の導入です。
DXを取り入れることで業務を効率化し、医療費の無駄をなくして、患者に適正で質の高い医療を提供できる。市民は、より安全で安心な生活を送れるようになる。それが目標です。
2023年4月には特例措置でマイナ保険証関連の医療費をさらに引き上げ、マイナ保険証を使えば患者自己負担も低くなる報酬改定を行っています。
2022年10月より、マイナ保険証に対応した医療機関を受診した場合の医療費の負担について、利用した際は21円から6円に引き下げ、従来の健康保険証を利用した際は9円から12円に引き上げられました。
患者側のメリットはほかにもあります。マイナンバーで情報を承認すると、「お薬手帳」に相当する処方内容や健康診断の結果などが閲覧でき、いつどこを受診されどのような処方であったか確認できます。それにより薬剤の重複や適正使用を確認できます。
薬局薬剤師の役割も進化します。正しく調剤することだけでなく、得られた情報を吟味し、処方された薬剤が適切かどうかを検証し、問題があれば…
生産性向上の取り組み効果を検証 給付費分科会
第216回社会保障審議会介護給付費分科会は4月27日、①テクノロジー活用等による生産性向上の取組に係る効果検証について、②今後の新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて、議論した。...
株式会社を設立しSCOP事業譲渡 善光会
社会福祉法人善光会はスマート介護プラットフォーム「SCOP」に関する事業を、新たに設立した株式会社善光総合研究所に譲渡した。 研究所の事業とSCOP事業、関連する事業を拡大する上で、資金調達面を含めた開発の加速化や中期的な事業戦略を見据えた経営資源投入の意思決定の柔軟性など、制度上、社会福祉法人では難しかった事業展開を行うことが目的。...
医療DX推進に関する議論を開始 中医協
中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)は4月16日、医療DX推進に関する議論を開始し、厚労省から5項目の論点が示された。 1点目は全国医療情報プラットフォームの構築や電子カルテ情報の標準化にあたり、標準規格化された3文書6情報の普及促進について。...
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