タムラプランニングアンドオペレーティングがまとめた全国の高齢者住宅・施設に関する調査によると、ホスピスやパーキンソン病に対応した手厚い看護サービスを提供する有料老人ホームが増加していることが分かった。
同社は高齢者住宅・居宅サービスのデータベースとコンサルティングを提供しており、このほどTPデータ・サービス「1.高齢者住宅データ〔全国版〕」2023年度上半期号を発行した。
全国の高齢者住宅・施設全14種類(2023年4月時点集計)のうち、ホーム数ではグループホームの1万4213カ所が最も多く、住宅型有料老人ホームが1万1771カ所、特別養護老人ホーム(地域密着型含む)が1万316カ所だった。
サービス付き高齢者向け住宅の登録数は8168カ所で、介護付き有料老人ホームは4422カ所にとどまっているが、有料老人ホームのうち、近年増加しているのがホスピスやパーキンソン病に対応した施設である。
特にホスピス的な性格を持つ有料老人ホームは、既存の一般的な要介護者向け有料老人ホームに比べ、入居者の入居期間が著しく短くなるうえ、ターミナルケアの割合が高くなるなど、入居動態が既存ホームと異なっている。
また、ガン末期やパーキンソン病などの特定疾病には、医療保険による訪問看護サービスが適用となるため、介護保険を中心とした既存の有料老人ホームとは収益構造が異なる部分がある。
このようなホスピス的な性格を持つ有料老人ホームの大規模かつチェーン的な展開が見られるようになっており、今後の動向が注目される。
居室数/定員数では、特養の65万6070人が最多。介護老人保健施設は36万9824人、住宅型有料は32万8747戸、サ高住は27万9793戸、介護付き有料が25万2775戸だった。
介護療養型医療施設については、2023年度末に廃止することが決められており、医療保険施設や介護医療院への転換などが進められている。
このため、介護療養型医療施設が282カ所、9330人まで減少している一方、介護医療院は750カ所、4万3574人と、介護療養型医療施設の4.7倍の規模まで増加した。