ホスピス的有料が増加 タムラプランニング

2023年 5月 8日

 タムラプランニングアンドオペレーティングがまとめた全国の高齢者住宅・施設に関する調査によると、ホスピスやパーキンソン病に対応した手厚い看護サービスを提供する有料老人ホームが増加していることが分かった。

 同社は高齢者住宅・居宅サービスのデータベースとコンサルティングを提供しており、このほどTPデータ・サービス「1.高齢者住宅データ〔全国版〕」2023年度上半期号を発行した。

 全国の高齢者住宅・施設全14種類(2023年4月時点集計)のうち、ホーム数ではグループホームの1万4213カ所が最も多く、住宅型有料老人ホームが1万1771カ所、特別養護老人ホーム(地域密着型含む)が1万316カ所だった。

 サービス付き高齢者向け住宅の登録数は8168カ所で、介護付き有料老人ホームは4422カ所にとどまっているが、有料老人ホームのうち、近年増加しているのがホスピスやパーキンソン病に対応した施設である。

 特にホスピス的な性格を持つ有料老人ホームは、既存の一般的な要介護者向け有料老人ホームに比べ、入居者の入居期間が著しく短くなるうえ、ターミナルケアの割合が高くなるなど、入居動態が既存ホームと異なっている。

 また、ガン末期やパーキンソン病などの特定疾病には、医療保険による訪問看護サービスが適用となるため、介護保険を中心とした既存の有料老人ホームとは収益構造が異なる部分がある。

 このようなホスピス的な性格を持つ有料老人ホームの大規模かつチェーン的な展開が見られるようになっており、今後の動向が注目される。

 居室数/定員数では、特養の65万6070人が最多。介護老人保健施設は36万9824人、住宅型有料は32万8747戸、サ高住は27万9793戸、介護付き有料が25万2775戸だった。

 介護療養型医療施設については、2023年度末に廃止することが決められており、医療保険施設や介護医療院への転換などが進められている。

 このため、介護療養型医療施設が282カ所、9330人まで減少している一方、介護医療院は750カ所、4万3574人と、介護療養型医療施設の4.7倍の規模まで増加した。

全国高齢者住宅・施設数

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“ホスピスホーム”分析レポート発行 タムラP🆕

 高齢者住宅のデータベースとコンサルティングを提供するタムラプランニングアンドオペレーティング(田村明孝社長)は、ホスピスホーム(同社は「緩和ケアホーム」と呼称)の実情に関する分析レポートを今月発行した。
 
 近年、入院期間短縮が促進され、医療機関以外の場所への訪問看護サービス需要が増大している。訪問看護の報酬は介護保険か医療保険から給付され(下図)、要介護・要支援認定者は介護保険が優先する。
 
 要介護・要支援認定者が医療保険で訪問看護サービスを受けるには、特定の病気・状態(末期がんや人工呼吸器使用など)に該当し主治医の指示が必要だ。

機内で座位姿勢を支えるベルトを共同開発🆕

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病院と患者をつなぐアプリの提供開始 ユカリア🆕

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すい臓がんなど早期発見へ MRI検査サービスを拡大

 ユカリアの完全子会社であるスマートスキャンは、MRI検査サービス「スマート脳ドック」を導入している一部施設に提供中の「がんドック」のメニューを順次拡大する。  これにより、進行するまで自覚症状が乏しく、発見が遅れがちなすい臓がん、前立腺がん、子宮・卵巣がんの早期発見にも対応できるようになる。...

墨田区に障害者支援や宿泊などの複合福祉施設

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