〈特集〉の記事一覧
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第1回 子どもに対策を教えるツバボウシ先生🆕

第1回 子どもに対策を教えるツバボウシ先生🆕

武末文男 中津市地域包括・緩和ケア推進審議監
■市町村に情報が入らず苦慮する学校
 私は2018年(平成30年)8月、厚生労働省を退職して大分県の中津市民病院に緩和ケアセンターを立ち上げるため赴任した。20年(令和2年)1月からは中津の地域包括ケア推進のため、市役所の仕事を中心に働く予定だった……
【筆者紹介】たけすえ・ふみお 中津市地域包括・緩和ケア推進審議監、中津市民病院臨床研究部長
消化器外科医として臨床に携わった後、阪神・淡路大震災で災害医療、長崎県で離島医療を経験。2000年、厚生省(当時)に入省。奈良県に出向して09年には新型インフルエンザ対策に取り組む。その後、文部科学省への出向を経て中津市民病院に赴任、18年より現職。

乳児院は高機能化・多機能化をいっそう進め「乳幼児総合支援センター」をめざす🆕

乳児院は高機能化・多機能化をいっそう進め「乳幼児総合支援センター」をめざす🆕

全国乳児福祉協議会会長 平田ルリ子
■これまでも高機能化・多機能化に取り組んできた
 子どもの権利や家庭養育の推進に関する理念が明確化された2016(平成28)年改正児童福祉法を受け、17年に厚生労働大臣の私的諮問検討会の報告書として「新しい社会的養育ビジョン」が示されました。そして、同ビジョンを踏まえ、18年に発出された「都道府県社会的養育推進計画の策定要領」を経て、20年度より同計画に基づく取り組みが進められています。
 こうした流れのなかで、乳児院には、ケアニーズが高い子どもの養育の高機能化や、里親等を含む在宅家庭の支援に専門性を発揮し多機能化・“機能転換”することが要請されてきました。
 全国乳児福祉協議会では、この間の情勢を背景に、19年、検討会報告書「『乳幼児総合支援センター』をめざして」をまとめ、乳児院の高機能化・多機能化の具体的な姿などを提言しました。本報告書のベースとしたものが……

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子どもたちが孤立しない社会を目指し、市民性を醸成する

子どもたちが孤立しない社会を目指し、市民性を醸成する

NPO法人PIECES
■優しいつながりがあふれる社会をめざす
 認定NPO法人PIECES(ピーシーズ、小澤いぶき代表)は、子どもたちの孤立を防ぐため、子どもたちと一緒に日常を過ごし、信頼関係を育む人やコミュニティをつくる市民性醸成プログラムを展開しています。
 様々な環境に生きる子どもたちが、社会のことを信頼できなくなるもっと前に信頼できる他者と出会い、安心したつながりを持てるよう、社会のなかにいきる私たち一人ひとりが人と人との関わりを再確認し育むことで、優しいつながりがあふれる社会をめざしています。
 子どもたちが安心して暮らせる社会は、大人も含めて多くの人が安心して暮らせる社会につながります。
 子育てをとりまく環境は、明治から昭和の高度成長期にかけて、家族という……

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施設をひとくくりに貶めて里親を偏重する養育ビジョン

施設をひとくくりに貶めて里親を偏重する養育ビジョン

全国児童養護施設協議会会長 桑原教修
■はじめに
 2016年、国連で採択された「児童の権利に関する条約(1989)」を下敷きとした児童福祉法の改正が行われ、児童福祉法の理念が明確化されました。その後、当時の厚生労働大臣のもとに設置された「有識者会議」によってとりまとめられたのが2017年の「新しい社会的養育ビジョン(以下養育ビジョン)」です。
 その主な論点は、①家庭養育優先原則、②里親委託率の数値目標、③「家庭における養育環境と同様の養育環境」としての里親委託優先、④「できる限り家庭環境」の確保に向けた施設整備、となっています。そして、向こう10年間で施設の変革を求めています。
 このように具体的に社会的養護施設の方向が示されたのは、戦後70年余の歩みの中で初めてのことでした。ある意味で画期的なことだと思います。
しかしながら、唐突に社会的養護施設を一括りとして示された〈養育ビジョン〉は……

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利便性の高い駅前に開設 公社用地を活用して整備

利便性の高い駅前に開設 公社用地を活用して整備

子育てひろば「にじいろルーム中野駅南口」
 厚生労働省は全国に地域子育て支援拠点を設ける取り組みを進めている。ただ、大都市ではそうした施設を設けるための用地を確保するのが難しい。東京都住宅供給公社(JKK東京)はJR中央線・中野駅前の再開発事業の実施にあたり、新たなスキームによって子育て支援施設を設けた。
■団地の建て替え施設に設置
 厚労省の地域子育て支援拠点事業は、子育て中の親子が気軽に集い、相互交流や子育ての不安・悩みを相談できる場を提供するもので、全国の中学校区での設置(1万カ所)を目指して整備を進めている。
 設置するのは自治体で、直営の場合もあれば、民間に委託するケースもある。2019年度までの実施件数は……

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多職種が切れ目なく重層的に支援する名張版ネウボラ

多職種が切れ目なく重層的に支援する名張版ネウボラ

有年貴子(名張市健康・子育て支援室)
■名張版ネウボラとは
 名張市は三重県の西部、近畿・中部両圏の接点に位置し、風光明媚な自然環境に恵まれています。大阪方面のベッドタウンとして宅地開発が進みましたが、2018年10月1日現在、人口7万8864人、高齢化率30.6%。年間出生487人(18年)と、少子高齢化、人口減少が急激に進んでいます。
 名張版ネウボラは、「産み育てるにやさしいまち“なばり”」を実現するための妊娠・出産・育児の切れ目ない相談・支援のネットワークの仕組みであり、産前産後の新たな取り組みを事業化し、展開する仕組みです。
また、多様な主体に妊娠・出産・育児の「支援の切れ目をつなぐ」ほか、「人と人・人と地域をつなぐ」……

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待機児童は減ったが 若い親や若者への支援は不十分

待機児童は減ったが 若い親や若者への支援は不十分

インタビュー 前田正子(甲南大学教授)
■待機児童が減少した背景
――待機児童数は2020年4月1日時点で1万2439人でした。前年より約4300人減り、1994年に公表するようになって以来、最少となりました。前政権の積極的な政策が奏功したといわれています。
 保育園などの保育施設が大幅に増えて、今では1-2歳児の半分近くが保育施設に行っていることになります。それだけ定員が増えました。ただ、2019年10月から満3歳以上の幼児教育・保育が無償化されたことで幼稚園の3歳児保育への申し込みが急増し、さらに「3歳の壁」が高くなっています。小規模保育園を卒園した子どもが次に行く保育施設も満杯で、幼稚園と塾やベビーシッターとの併用で育てる人もいます。
 預かり保育も無償化され、1号認定で幼稚園に預けている人も使いやすくなりました。これまで、預かり保育の料金とパート収入を天秤にかけて……

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社会的処方の制度化は 医師のソーシャルワーク的活動を むしろ妨げる危険をはらむ(上)

社会的処方の制度化は 医師のソーシャルワーク的活動を むしろ妨げる危険をはらむ(上)

インタビュー 中野智紀(東埼玉総合病院地域糖尿病センター長)
■医師が患者の生活問題に目を向けることは重要
――中野先生は埼玉・幸手市で2012年、福祉(生活モデル)を基盤とした全国でも珍しい地域包括ケアのモデル構築に着手し、その拠点となる「在宅医療連携拠点 菜のはな」室長を現在も務めておられます。これらは今では「幸手モデル」と呼ばれ、高く評価されています。内科医として糖尿病の治療に携わってきたご経験もあって、そういう場を整備されました。社会的処方の先駆者と言っても過言ではありませんね。
 ありがとうございます。しかし、少し複雑です。確かに私たちの地域では、生活モデル(福祉やソーシャルワークが用いる支援作法)を基盤にケアシステムの構築を進めています。医療専門職らによるソーシャルワークは別に目新しいものではなく……

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社会的処方の制度化は 医師のソーシャルワーク的活動を むしろ妨げる危険をはらむ(下)

社会的処方の制度化は 医師のソーシャルワーク的活動を むしろ妨げる危険をはらむ(下)

インタビュー 中野智紀(東埼玉総合病院地域糖尿病センター長)
■伴走すること自体が支援に
――支援の方向性が健康を目的として縛られるとは、どういうことでしょう。
 社会的処方が制度化されると、社会保障制度というものが功利主義の立場をとっているため、健康を目的とせざるを得ません。しかし、健康は広い概念ですから、何らかの代理目標かパラメーターを放棄しなければなりません。これが支援の方向を限定してしまいます。
 生活問題、すなわち生きる苦しみには、健康だけでなく複雑な要素が複合的に関わります。ほつれた糸を解いたらまた別の所がほつれ、そこを解く…といった繊細な作業の繰り返しです。もし生活問題を解決したと思っているなら、それは……

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「社会的処方」にこれだけの問題点 むしろ多職種連携への認識を深めよう(上)

「社会的処方」にこれだけの問題点 むしろ多職種連携への認識を深めよう(上)

藤井博之(日本福祉大学教授)
■はじめに
「社会的処方Social Prescribing」をめぐる経過を紹介し、この用語と考え方の問題点を多職種連携の視点から指摘したい。
「社会的処方」は英国で行われている、健康や病気の社会的要因に取り組む治療・予防方法である。社会的要因はSocial Determinants of Health (SDH)と表現され、公衆衛生学と臨床医学に跨がり健康・疾病と社会環境の関連を捉える政策と個別臨床の重要な概念である。私自身は、医療社会化運動に源流をもつ戦前からの「社会医学」の実践を志向し、診療や病院管理、地域活動で社会的要因にどう取り組むか関心を払ってきた。
 一方で「社会的処方」という用語には違和感がある。ここでは、①英国での取り組みの経緯と……

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