生産性向上の取り組み効果を検証 給付費分科会

2023年 4月 28日

 第216回社会保障審議会介護給付費分科会は4月27日、①テクノロジー活用等による生産性向上の取組に係る効果検証について、②今後の新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて、議論した。

 2022(令和4)年度、「介護ロボット等による生産性向上の取組に関する効果測定事業」が実施され、分科会の冒頭、事務局からその結果が報告された。

 同事業での実証テーマは、①見守り機器等を活用した夜間見守り、②介護ロボットの活用、③介護助手の活用、④介護事業者等からの提案手法、の4つ。それぞれについて、介護職員の業務内容の変化、働き方や職場環境がどう改善したか、ケアの質は確保されているか、を調査した。

 実証テーマ①については、「見守り機器導入率が増加すると、直接介護と巡回・移動時間の合計が減少」(2020~22年度の実証結果を合算した結果)し、「見守り機器導入により、利用者の状況が可視化できる・より適切なタイミングでケアが提供できる」との回答の割合が高かった。

 実証テーマ②は移乗支援ロボットについて、装着型・非装着型に分けて実証。装着型では、移動・移乗・体位変換にかかる業務時間は介護ロボットの着脱・装着時間を含めると、やや増加した。

 腰痛が「かなり痛い」職員の割合はやや減少、「ひどく痛い」はやや増加、「中程度痛い」は変化はなかった。

 非装着型では、移動・移乗・体位変換にかかる夜間の業務時間が微増、昼間は大きな変化はなかった。

 腰痛が「ひどく痛い」「かなり痛い」職員の割合はやや減少、「中程度痛い」は変化はなかった。装着型・非装着型とも、利用者の意欲(Vitality index)の傾向に大きな変化はなかった。

 実証テーマ②は排泄支援機器についても調査を実施。機器を導入後、トイレ誘導時に排泄がなかった回数が減少した。利用者の状況が可視化され、適切な排泄支援につながり、職員の心理的負担は軽減した。

 実証テーマ③では、介護助手は食事やおやつの準備・片付け、リネン交換・ベッドメイク、居室清掃・片付けなどを担った。その結果、介護職員は間接業務の時間が減り、利用者のケアに注力できるようになった。利用者の発語や笑顔が増加する傾向がみられた。

 実証テーマ④は選定された3法人の実証結果が報告された。

 この「効果検証」について、分科会委員からは、「事業の対象となった施設数が少なく、アウトカム(効果)の設定が腰痛というのは疑問」など厳しい意見も出された。

 人手不足を機器で補おうとするあまり、過去の集団ケアに逆戻りすることを危惧する意見や、排泄支援機器を認知症高齢者に適用することへの懸念も聞かれた。

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2割負担は先送り 介護保険部会が「意見」🆕

 第133回社会保障審議会介護保険部会が12月25日に開かれ、「介護保険制度の見直しに関する意見」が確定した。
 
 議論が続いた「一定以上所得」の判断基準については、第10期介護保険事業計画(2027~29年度)の開始前までに結論を得ることとなった。
 
 これは利用者負担が2割となる基準で、現行制度では年金収入+その他の合計所得が年280万円以上340万円未満である(単身世帯の場合)。340万円以上は「現役並み所得」とされ、3割負担だ。
 
 介護保険制度の持続可能性確保のためにその基準を拡大し、2割・3割負担となる層を広げるかどうか。
 
 具体的には、「一定以上所得(2割負担)」の下限を260万円~230万円の範囲で引き下げる案が示され、長く議論されてきたが、決着には至らなかった。「現役並み所得」の判断基準は「引き続き検討を行う」と、期限も示されなかった。
 
 そのほか、軽度者への生活援助サービスを給付から切り離して総合事業に移行する案も結論は出ず、「引き続き包括的に検討する」となった。

制度見直しの議論続く 介護保険部会🆕

 第132回社会保障審議会介護保険部会が12月22日に開かれ、前回に続き「介護保険制度の見直しに関する意見(案)」などが議論された。
 
 今回提示された案では、「一定以上所得の判断基準」について、これまで同様、年金収入+その他の合計所得を「年260万円~230万円の範囲」とした。まだ具体的な方向は見えない。委員の中には「2割負担の対象を拡大すべきでない」との意見も根強い。
 
 「拡大すべきでない」論者の意見は、
 
 ・医療ではOTC類似薬への新たな負担など、高齢者の負担増が確実。介護でも負担増は避けるべき
 
 ・負担増から利用控えが起こると、子世代にしわ寄せがくる。介護離職が増えるのでは
 
 ・現役世代の負担軽減は重要だが、サービスを使えなくなった親を子が援助すれば結局子の負担は増える
 
 などがある。持続可能性を高めるには被保険者の範囲や公費負担も見直すべき、との意見もあった。

2割負担、ケアマネジメントの在り方は 部会

 第131回社会保障審議会介護保険部会が12月15日に開かれ、「介護保険制度の見直しに関する意見(案)」などが議論された。
 
 「介護保険制度の見直しに関する意見」は2022年12月に“第1弾”が公表されている。このとき結論が出されなかった、〈「一定以上所得」「現役並み所得」の判断基準〉〈補足給付の在り方〉〈ケアマネジメントに関する給付の在り方〉〈軽度者への生活援助サービスに関する給付の在り方〉などについて、これまで部会で議論が続けられた。
 
 これらは「次期計画に向けて得ることが適当」「第10期計画の開始までに出すのが適当」「引き続き検討」とされた。次期計画とは現在の第9期(2024-26年度)、第10期は27-29年度である。
 
 「一定以上所得の判断基準」は「次期計画に向けて」だったが、まだ決着していない。2割負担の拡大、すなわち適用される所得の引き下げにつながることから、反対意見が根強かった。現行制度では、2割負担となる所得基準は年280万円以上だ。これをどこまで引き下げるか。年260万円~230万円の範囲が提案されている。
 
 引き下げ幅が大きいほど、2割負担となる人は増える。ただ引き下げと同時に「配慮措置」も提案されている。①新たに負担増となる場合、増加の上限を月額7000円とする、②預貯金等が一定額以下の人は申請により1割負担に戻す、の2つだ。

訪問介護の倒産止まらず 報酬引き下げなど響く

 東京商工リサーチの調査によると、訪問介護事業者の2025年の倒産(負債1000万円以上)が11月末までに85件に達し、これまで最多だった23年67件、24年81件をすでに超え、3年連続で最多を更新した。  人手不足や24年度の介護報酬改定で訪問介護の基本報酬が引き下げられたことに加え、人件費やガソリン代、運営コストの上昇が要因と見込まれる。  25年の訪問介護事業者の倒産は11月末までに85件(前年81件)で、3年連続で年間最多を更新した。...

2割負担対象も預貯金に応じ1割の案 部会

 第130回社会保障審議会介護保険部会が12月1日に開かれ、「持続可能性の確保」「論点ごとの議論の状況」などが議論された。
 
 今回、「持続可能性の確保」は
 
 ●「一定以上所得」「現役並み所得」の判断基準
 ●補足給付に関する給付の在り方
 ●ケアマネジメントに関する給付の在り方
 
 の3つの論点に絞って議論された。
 
 「一定以上所得」「現役並み所得」の「一定以上」とは、介護保険サービス利用時の自己負担を2割とする所得層で、「現役並み」とは自己負担3割の所得層だ。簡単にいえば所得の多い人は自己負担も多く、という応能負担の考え方に基づく施策である。現行の「一定以上所得」「現役並み所得」の基準は以下の通り。

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