第134回社会保障審議会介護保険部会が3月9日に開かれ、第10期介護保険事業計画に向けた「基本指針」、高齢者虐待に関する調査結果などを議論した。冒頭では、新たな部会長に早稲田大学政治経済学術院の野口晴子教授が選出された。
市区町村(保険者)は介護保険事業計画、都道府県は事業支援計画を策定する。第10期は2027~29年度で、国は26年12月ごろをめどに「基本指針」を告示する。
部会では、第10期基本方針の検討にあたって考慮すべき項目が開示された。25年12月に部会が決定した「介護保険制度の見直しに関する意見」に盛り込まれた、中山間・人口減少地域における柔軟な対応、有料老人ホーム事業運営の透明性確保、介護人材確保と職場環境改善に向けた生産性向上、などが盛り込まれている。
老健局は高齢者虐待防止法に基づき、高齢者虐待への対応状況に関する調査を実施しており、その結果が報告された。「養介護施設(注1)従事者等による虐待」は相談・通報件数が3633件(前年度より192件増加)、虐待判断件数が1220件(同97件増加)と、どちらも過去最多で4年連続増加している。
養護者(注2)による虐待は相談・通報件数が4万1814件(前年度より1428件増加)、虐待判断件数が1万7133件(同33件増加)。相談・通報件数は過去最多で12年連続増加、虐待判断件数は横ばい傾向であった。
養介護施設従事者等による虐待判断件数の推移(過去3年間)をサービス種別でみると、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設で高止まり傾向にある。認知症グループホームや住宅型有料でも増加傾向にあることが明らかになった。
サービス種別ごとの養介護施設従事者等による虐待判断件数の推移(2022~24年)
社会保障審議会介護保険部会(第134回)資料3より
注1:養介護施設は高齢者虐待防止法に規定された用語。老人福祉法の老人福祉施設と有料老人ホーム、介護保険法の特養、老健、介護療養型医療施設、地域包括支援センターが含まれる。
注2:養護者も高齢者虐待防止法に規定された用語で、高齢者を養護する者で養介護施設等従事者でない者。