第131回社会保障審議会介護保険部会が12月15日に開かれ、「介護保険制度の見直しに関する意見(案)」などが議論された。
「介護保険制度の見直しに関する意見」は2022年12月に“第1弾”が公表されている。
このとき結論が出されなかった、〈「一定以上所得」「現役並み所得」の判断基準〉〈補足給付の在り方〉〈ケアマネジメントに関する給付の在り方〉〈軽度者への生活援助サービスに関する給付の在り方〉などについて、これまで部会で議論が続けられた。
これらは「次期計画に向けて得ることが適当」「第10期計画の開始までに出すのが適当」「引き続き検討」とされた。次期計画とは現在の第9期(2024-26年度)、第10期は27-29年度である。
「一定以上所得の判断基準」は「次期計画に向けて」だったが、まだ決着していない。
2割負担の拡大、すなわち適用される所得の引き下げにつながることから、反対意見が根強かった。現行制度では、2割負担となる所得基準は年280万円以上だ。これをどこまで引き下げるか。年260万円~230万円の範囲が提案されている。
引き下げ幅が大きいほど、2割負担となる人は増える。ただ引き下げと同時に「配慮措置」も提案されている。①新たに負担増となる場合、増加の上限を月額7000円とする、②預貯金等が一定額以下の人は申請により1割負担に戻す、の2つだ。
ケアマネジメントに関する給付については、「新たな相談支援の類型」の創設が提示された。事前規制(登録制など。今後導入される見込み)の対象となる有料老人ホーム(特定施設を除く)の入居者に対するケアプラン作成と生活相談を併せたものだ。
社会保障審議会介護保険部会(第131回)補足資料より
「新たな相談支援」の報酬は、現行の特定施設入居者生活介護と同様、定額報酬とする。さらに、定率(原則1割)の利用者負担を求める、という。特定施設入居者生活介護では、すでにケアプラン作成を含めて定率負担の対象となっているため、これとの均衡を図る趣旨だという。
これらの論点を含め、「介護保険制度の見直しに関する意見」は、最終的には22日に予定されている第132回部会で決着が図られるかどうか、現時点では流動的だ。