〈時不知すずめ〉の記事一覧
第22回 介護保険料の伸び率が低かった事情とカラクリ🆕

第22回 介護保険料の伸び率が低かった事情とカラクリ🆕

 令和6~8年度の65歳以上の高齢者が納める介護保険料(第9期)は全国平均で月に6225円になった。
 
■整合性ある報道か
 マスコミは概ね、「こんなに高くなって大変だ」というニュアンスで報じている。あれだけ介護職の処遇改善が必要だと書きたててきたのに、保険料が上がると「高過ぎる」というのは、整合性がない気がする。
 
 資金は天から降ってこないので、処遇改善をするなら保険料の引き上げは致し方ない。覚悟と責任をもって記事を書いてほしいと思ってしまう。
 
 しかも、伸び率3.5%は過去8回の改定の中で下から3番目という低さだ。高齢者数は増えているし、6~8年度は介護職の処遇改善のために、介護報酬を1.59%も引き上げたのに、よくこの程度の保険料の伸びに収めた…

第21回 医療も介護もプラス改定だけど、ホントは

第21回 医療も介護もプラス改定だけど、ホントは

 医療も介護も新年度からの報酬改定がまとまった。どちらも、かなりぎりぎりの内容である。表向きは「プラス改定」だが、人件費のベースアップを除けば、医療も介護もほぼゼロ改定だ。深刻さが世の中に共有されていないと思う。いくらか話題になったのは介護報酬の訪問介護だろうか。
 
■訪問介護引き下げの背景
 介護報酬は、介護職の処遇改善に0.98%、介護職以外の処遇改善に0.61%を充てて1.59%のプラス改定である。プラス改定の全てを賃上げに充てた格好だ。事業所の収入に当たる報酬はゼロ改定だ。
 
 そうはいっても、報酬改定は政策誘導のために行うものだから、上げる部分もあれば下げる部分もある。引き上げたのは、特別養護老人ホームなどの介護保険施設の基本報酬だ。事前の経営実態調査で赤字であることが分かっていた。
 
 ゼロ改定なのに、どこかを引き上げるには、どこかを下げて原資を調達するしかない。ターゲットになったのは…

第21回 医療も介護もプラス改定だけど、ホントは

第20回 抗認知症薬レケンビの登場で生じる新たな懸念

 エーザイの抗認知症薬「レカネマブ(レケンビ)」が日本でも承認された。年内には薬価がついて医療現場に登場する。だが、気になることがある。
 
 今までよりも、「認知症早期」の診断を、多くの人が受けるようになる。レケンビの対象者が、アルツハイマー型認知症「早期」と軽度認知障害(MCI)の人だからだ。
 
 早期に検査を受ける人が増えて、確定診断を受ける人も増えるはずだ。その不安に対応できる社会になっているのだろうか?
 
 この人たちは、要介護認定を受けるには症状が軽い。行政サービスの網の目からはこぼれ、日々の暮らしや将来への不安を抱える人がむしろ増えるのではないか…

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第19回 公式見解と現場感覚が乖離するケアマネ不足

 医療と介護2040でも特集している通り、現場のケアマネジャー不足が顕著なのである。
 
 旧知の介護事業者から、「足りないのは介護職じゃなくてケアマネですよ。このままだと、ケアプランを作れなくなるんじゃないですかね」と吐露されたのが半年ほど前。ただ、地域差もあるのか、厚生労働省の資料では数値で明確に裏付けられてはいない。
 
 厚労相の諮問機関「介護給付費分科会」に6月に出された資料では、居宅介護支援事業所におけるケアマネジャーの従事者数は2021(令和3)年に11万7000人。19年の11万8000人から1000人減っているが、20年からは変わっていない。厚労省は…

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第18回 少子化対策に透ける思惑、欠ける視点

 少子化対策がホットだ。合計特出生率は2021年には1.30と6年連続で低下した。2022年の出生数は80万人を割り込んだ。すわ一大事というわけだ。
 
 何を今ごろ言っているのかと思う。少子化の傾向は長らく変わっていない。対策に取り掛かるのが30年くらい遅いのである。
 
 しかも、政策のピントがずれている。対策の1丁目1番地は現金給付なのである。政策立案をする高齢の男性政治家に課題への共感がないからではないか、という指摘がある。
 
 子育ての孤独も、仕事と子育てを両立する苦しさも、貧困も、自分では経験したことがない人たちだからだ。
 
■伝統的家族観への回帰を期待?
 さて、児童手当の拡充である。現金を配りたがるのは、選挙を控えた政治家の常ではある。
 
 加えて、今回は伝統的家族観への郷愁も垣間見える。短時間労働や育児休業に現金給付を上乗せして…

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第16回 マスクも同調圧力で外すのか

 降ってわいたようなマスク騒動だった。いや、そういう表現は不適切かもしれない。多くの人はもう、マスクに嫌気がさしていたのだろう。
 新型コロナウイルス対策のマスク着用が海外では緩和され、ノーマスクで歩く人がテレビで大写しになる。それなのに、日本では…

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第15回 コロナ禍の「ときどき入院、ほぼ在宅」

 新型コロナウイルス報道で、高齢者施設の感染がしばしば取り上げられる。だが、そもそも「高齢者施設」が日頃、どんな課題を抱えていたのか、ほとんど知られていなかったんだなぁ、と思い至った。
■施設での医療と介護
 社内で話していても、病院と施設の区別がつかない人が少なくない。医療と介護の…

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第14回 コロナワクチンと治療薬の新聞報道って

 新型コロナの話になると、全国紙もテレビも冷静さを欠いている(もちろん弊社もだ)。例えば全国紙の場合、平時だったら、1メーカー発のワクチンや薬のニュースがこんなに大きく取り上げられることはない。
■紙面にあふれる企業名
 記者は通常、全体のバランスを考えて、1社の情報だけで記事を作らないからだ。経済面や企業面ならまだしも…

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第12回 感染者数と人流とワクチン接種率

 新型コロナウイルスの新規感染者が急激に減っている。どうしてこんなに急激に減るのだろう。
■数値に見る現実
 厚生労働省の専門家会合「アドバイザリーボード」が解説している。そもそも第5波の急激な感染者増は、デルタ株の到来に加えて、屋外での人の活動が活発になったこと。その要因は…

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第11回 日本のワクチン接種が出遅れた事情

 パンデミックの際に、ワクチンを緊急承認すべきだ、との声が上がっている。例えば米国が承認したワクチンは、日本でも審査なしで使えるようにしたらよい、というのだ。そうすれば……
【筆者紹介】時不知すずめ(ときふち・すずめ) 医療や介護について取材する全国紙記者

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