介護保険見直しの議論始まる 介護保険部会

2025年 10月 1日

 第125回社会保障審議会介護保険部会が9月29日に開かれ、「地域包括ケアシステムの深化、持続可能性の確保」などが議論された。

 具体的な論点は①地域包括ケアシステムの実現・深化に向けた支援体制の整備、②医療介護連携の推進、③持続可能性の確保、の3点。

 事務局は①について、地域の状況に応じたサービス提供体制や支援体制の構築が重要、との前提で、地域の性格によって課題を以下のように位置づけた。

 中山間・人口減少地域…サービス基盤の維持・確保
 都市部…新たな事業者や人材の持続的な確保
 一般市等…前2者それぞれへの対応

 そのうえで中山間・人口減少地域では、前回の部会で議論されたサービス提供体制の確保のための方策について、介護保険事業計画に反映することが重要、との方向性を提示する。

 さらに、高齢者向け住まいについては、「有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会」の議論もふまえ、介護保険部会で議論して整理する。介護予防や人材確保、生産性向上に関する事項も含めて今後の部会での議論をふまえて整理する。

 こうした中長期の地域課題について、市町村を越えた広域的な議論をする仕組みや、検討・議論に資する事項の提示や情報の提供を行う。

 ②については、2040年に向けて地域における人口構造の変化に伴う医療・介護需要の変化や、現在の医療・介護の提供体制の状況とその活用について組み合わせて考えていくことが重要、とする。医療・介護資源の状況を地域ごとに見える化し、分析し、今後どう取り組むべきか考察する。

 そのため第10期介護保険事業計画では、慢性期の患者について、患者像が一部重複する者を対象とするサービス(療養病床・在宅医療・介護保険施設)が具体的にどのように受け皿となっていくかの検討、医療機関との連携ができていない高齢者施設へのマッチング、について、医療介護総合確保方針に基づく議論の対象とする。

 ③持続可能性の確保とは、介護保険制度の見直しである。これは「給付と負担」「ケアマネジメントに関する給付の在り方」「軽度者への生活援助サービス等に関する給付の在り方」「被保険者・受給者の範囲」といった、2022年12月に介護保険部会がまとめた「介護保険制度の見直しに関する意見」での課題が議論される。 

125回介護保険部会

第125回社会保障審議会介護保険部会「資料1(参考資料)」より

 「意見」では、それぞれの課題について、結論を得る時期を以下の通り明記している。

 「給付と負担」のうち1号保険料の負担については、「次期計画(=第10期)に向け保険者の準備期間等を確保するため、早急に結論を得る」。現役並み所得(=3割負担)・一定以上所得(=2割負担)の判断基準については、前者は「引き続き検討」、後者は「次期計画に向けて結論を得る」。多床室の室料負担についても「次期計画に向けて結論を得る」。

 「ケアマネジメントに関する給付の在り方」は「第10期計画期間の開始(=2027年4月)までに結論を出すことが適当」。「軽度者への生活援助サービス等に関する給付の在り方」も「第10期計画期間の開始までに結論を出すことが適当」。「被保険者・受給者の範囲」は、第2号被保険者の対象年齢引き下げについて、「引き続き検討」。

 この方針に沿って、これから部会での議論が展開される予定だ。ケアマネジメントに関する給付とは、つまり、ケアプランを有料化するかどうか。軽度者への生活援助サービスとは、総合事業の対象を要介護1・2の人に拡大するか。給付と負担を含め、これまでも賛否両論がぶつかってきたテーマについて、いよいよ部会での議論が始まる。

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2割負担は先送り 介護保険部会が「意見」🆕

 第133回社会保障審議会介護保険部会が12月25日に開かれ、「介護保険制度の見直しに関する意見」が確定した。
 
 議論が続いた「一定以上所得」の判断基準については、第10期介護保険事業計画(2027~29年度)の開始前までに結論を得ることとなった。
 
 これは利用者負担が2割となる基準で、現行制度では年金収入+その他の合計所得が年280万円以上340万円未満である(単身世帯の場合)。340万円以上は「現役並み所得」とされ、3割負担だ。
 
 介護保険制度の持続可能性確保のためにその基準を拡大し、2割・3割負担となる層を広げるかどうか。
 
 具体的には、「一定以上所得(2割負担)」の下限を260万円~230万円の範囲で引き下げる案が示され、長く議論されてきたが、決着には至らなかった。「現役並み所得」の判断基準は「引き続き検討を行う」と、期限も示されなかった。
 
 そのほか、軽度者への生活援助サービスを給付から切り離して総合事業に移行する案も結論は出ず、「引き続き包括的に検討する」となった。

制度見直しの議論続く 介護保険部会🆕

 第132回社会保障審議会介護保険部会が12月22日に開かれ、前回に続き「介護保険制度の見直しに関する意見(案)」などが議論された。
 
 今回提示された案では、「一定以上所得の判断基準」について、これまで同様、年金収入+その他の合計所得を「年260万円~230万円の範囲」とした。まだ具体的な方向は見えない。委員の中には「2割負担の対象を拡大すべきでない」との意見も根強い。
 
 「拡大すべきでない」論者の意見は、
 
 ・医療ではOTC類似薬への新たな負担など、高齢者の負担増が確実。介護でも負担増は避けるべき
 
 ・負担増から利用控えが起こると、子世代にしわ寄せがくる。介護離職が増えるのでは
 
 ・現役世代の負担軽減は重要だが、サービスを使えなくなった親を子が援助すれば結局子の負担は増える
 
 などがある。持続可能性を高めるには被保険者の範囲や公費負担も見直すべき、との意見もあった。

2割負担、ケアマネジメントの在り方は 部会

 第131回社会保障審議会介護保険部会が12月15日に開かれ、「介護保険制度の見直しに関する意見(案)」などが議論された。
 
 「介護保険制度の見直しに関する意見」は2022年12月に“第1弾”が公表されている。このとき結論が出されなかった、〈「一定以上所得」「現役並み所得」の判断基準〉〈補足給付の在り方〉〈ケアマネジメントに関する給付の在り方〉〈軽度者への生活援助サービスに関する給付の在り方〉などについて、これまで部会で議論が続けられた。
 
 これらは「次期計画に向けて得ることが適当」「第10期計画の開始までに出すのが適当」「引き続き検討」とされた。次期計画とは現在の第9期(2024-26年度)、第10期は27-29年度である。
 
 「一定以上所得の判断基準」は「次期計画に向けて」だったが、まだ決着していない。2割負担の拡大、すなわち適用される所得の引き下げにつながることから、反対意見が根強かった。現行制度では、2割負担となる所得基準は年280万円以上だ。これをどこまで引き下げるか。年260万円~230万円の範囲が提案されている。
 
 引き下げ幅が大きいほど、2割負担となる人は増える。ただ引き下げと同時に「配慮措置」も提案されている。①新たに負担増となる場合、増加の上限を月額7000円とする、②預貯金等が一定額以下の人は申請により1割負担に戻す、の2つだ。

訪問介護の倒産止まらず 報酬引き下げなど響く

 東京商工リサーチの調査によると、訪問介護事業者の2025年の倒産(負債1000万円以上)が11月末までに85件に達し、これまで最多だった23年67件、24年81件をすでに超え、3年連続で最多を更新した。  人手不足や24年度の介護報酬改定で訪問介護の基本報酬が引き下げられたことに加え、人件費やガソリン代、運営コストの上昇が要因と見込まれる。  25年の訪問介護事業者の倒産は11月末までに85件(前年81件)で、3年連続で年間最多を更新した。...

2割負担対象も預貯金に応じ1割の案 部会

 第130回社会保障審議会介護保険部会が12月1日に開かれ、「持続可能性の確保」「論点ごとの議論の状況」などが議論された。
 
 今回、「持続可能性の確保」は
 
 ●「一定以上所得」「現役並み所得」の判断基準
 ●補足給付に関する給付の在り方
 ●ケアマネジメントに関する給付の在り方
 
 の3つの論点に絞って議論された。
 
 「一定以上所得」「現役並み所得」の「一定以上」とは、介護保険サービス利用時の自己負担を2割とする所得層で、「現役並み」とは自己負担3割の所得層だ。簡単にいえば所得の多い人は自己負担も多く、という応能負担の考え方に基づく施策である。現行の「一定以上所得」「現役並み所得」の基準は以下の通り。

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