11月30日、第233回社会保障審議会介護給付費分科会が開催され、令和6年度(2024年度)介護報酬改定に向けて「介護人材の処遇改善等」「人員配置基準等」「介護現場の生産性向上の推進」「その他(外国人介護人材、地域の特性に応じたサービスの確保、介護現場における安全性の確保、地域区分)」について議論した。
それぞれの主な論点は以下の通り。
介護人材の処遇改善等…①処遇改善加算の一本化、②職種間配分ルール・賃金改善の方法
人員配置基準等…①管理者の責務及び兼務範囲の明確化、②管理者の兼務、③ローカルルール、④テレワークの扱い
介護現場の生産性向上の推進…①体制の強化、②テクノロジーの活用促進、③先進的な特例施設における人員配置基準の特例的な柔軟化、④老健における夜間の人員配置基準の緩和、⑤認知症GHにおける夜間支援体制の見直し
その他(外国人介護人材)…人員配置基準上の取扱いの見直し
その他(地域の特性に応じたサービスの確保)…中山間地域等に対する加算のあり方
その他(介護現場における安全性の確保)…国による事故情報の一元的な収集・分析・活用
その他(地域区分)…①級地の設定、②各サービスの人件費割合
「生産性向上」の②について、テクノロジーの活用支援のため、業務の効率化・質の向上・職員の負担軽減に資する機器のいずれか1つ以上を導入しているサービスを新たに評価する、と提案する。ここでいう機器とは、具体的には見守り機器、インカム等のICT機器、記録作成の効率化に資するICT機器を指す。
③については、2022~23年度に実施した特定施設での実証事業の結果から、一律の規制緩和ではなく一定要件下で、新たな人員配置基準の取扱いを認めては、として、その要件の案も提示している。
外国人介護人材の配置基準については、要件を満たせば就労直後から算入できるようにする、などが提示された。技能実習制度の改正をふまえた対応も盛り込まれた。
委員からは「ケアマネジャーも処遇改善の対象としてきちんと位置付けるべき」「日本の介護現場は外国人から選ばれなくなっている。国際的な視点が必要」「介護現場に『生産性』の用語はふさわしくない」などの意見が出された。