オン資導入促進への加算新設に異論 中医協

2022年 12月 22日

 厚生労働省の中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)は12月21日、マイナンバーカードによるオンライン資格確認をめぐり議論した。

 来年4月から医療関係機関での導入が原則義務化になるが、顔認証付きカードリーダーが届かなかったり、業者の作業が遅れていたり、光回線が敷設できていない地域や建物があったりするなどの理由でカードリーダーの設置が遅れている。

 この日の会合では、厚労省から原則義務化の経過措置とオンライン資格確認導入に伴う時限的な加算が示された。経過措置については異論が出なかったのに対し、加算に対しては支払側委員が反対の意見を述べた。

 カードリーダーに関しては、12月11日時点で全医療機関・薬局のうち対象施設の96.1%が申し込みを行っているものの、準備完了施設数は48.38%、運用を開始している施設数は41.0%にとどまっている。

 8月以降、3師会や厚労省、都道府県担当者などが集中的に説明会を開催したことで、申し込み数・運用開始数ともに急増したが、それでも来年3月末までに全対象施設への導入が完了しない見込みとなっている。

 そこで、厚労省は経過措置として、来年2月末までにベンダーと契約を締結したが、導入に必要なシステム整備が未完了の医療機関・薬局については9月までに、光回線のネットワークが整備されていない場合は回線が整備されてから6カ月までに完了する、などの猶予期限を示した。

 一方、時限的な加算は3大臣合意後の大臣折衝により決まったもので、来年12月末まで「医療情報・システム基盤整備体制充実加算」として、初診・調剤時の追加的な加算と再診時の加算を設定するとともに、加算に関するオンライン請求の要件を緩和することになった。

 この加算に対しては、支払側委員が「患者に負担を強いるのは納得できない」「患者・国民の声を聞いていない」などと述べ反対した。

このカテゴリーの最新の記事

このカテゴリはメンバーだけが閲覧できます。このカテゴリを表示するには、年会費(年間購読料) もしくは 月会費(月間購読料)を購入してサインアップしてください。

ホーム紹介の実態提示 望ましいあり方検討会始まる🆕

 第1回有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会が4月14日に開催され、有料老人ホーム(以下、「有料」)の現状と課題、論点が提示された。

 
 「有料」の定義は、「老人を入居させ、①食事の提供、②介護(入浴・排泄・食事)の提供、③洗濯・掃除等の家事の供与、④健康管理、のいずれか(複数可)を提供している施設」であるため、基準を満たせば介護保険制度の「特定施設入居者生活介護」の給付対象にもなる。それがいわゆる「介護付き有料」だ。
 
 「介護付き有料」には介護保険施設のような設備基準や夜間の人員配置基準などが定められておらず、サービスの質をどう担保するかが課題とされてきた。

常勤職員の基本給は1万円余増 給付費分科会

 第245回社会保障審議会介護給付費分科会が3月24日に開催され、令和6年度介護従事者処遇状況等調査の結果が報告された。  令和6(2024)年度介護従事者処遇状況等調査は特養、老健、訪問介護、通所介護など9種・1万3801施設・事業所を対象に、24年10月に行われた。...

介護職員給与1万3960円増 処遇改善加算取得で

 厚生労働省は3月18日に開催した社会保障審議会介護給付費分科会で、2024年度の介護従事者処遇改善状況等調査結果を公表した。  それによると、処遇改善加算を取得している施設・事業所の職員(月給・常勤)の昨年9月時点の平均給与(賞与などを含む)は33万8200円で、前年同月に比べ1万3960円(4.3%)増加した。賞与などを除いた基本給は25万3810円で同1万1130円増だった。  調査は全国の1万3801施設・事業所を対象に実施し、8180施設・事業所から回答があった(有効回答率59.3%)。...

介護保険利用者の情報を一元化 来年4月から着手

 厚生労働省社会保障審議会介護保険部会は3月17日に開催された会合で、介護分野の情報を一元化する取り組みを来年4月から開始する方針を了承した。  要介護度認定に必要な主治医意見書や要介護度、ケアプランなど、介護保険利用者の基本情報を1つにまとめ、介護事業者や医療機関、自治体などがインターネットで確認できるようにする。  これにより、自治体や事業所の事務負担を軽減し、サービスを提供するスピードを早めることが期待できる。マイナンバーカードの活用も視野に入れている。...

24年の出生数72万人で過去最少 前年比5%減

 厚生労働省の人口動態統計速報によると、2024年に生まれた子どもの数(外国人を含む出生数)は、72万988人で過去最少となった。9年連続の減少で、前年に比べ3万7643人(5.0%)のマイナスとなった。  一方、死亡数は161万8684人で過去最多。4年連続で増加し、同2万8181人(1.8%)のプラス。この結果、死亡数から出生数を引いた自然増減数は89万7696人で、過去最大の減少となった。18年連続のマイナスで、同6万5824人減った。...

1週間無料でお試し購読ができます  詳しくはここをクリック

新着記事は1カ月無料で公開

有料記事は990円(税込)で1カ月読み放題

*1年間は1万1000円(同)

〈新着情報〉〈政策・審議会・統計〉〈業界の動き〉は無料

【アーカイブ】テーマ特集/対談・インタビュー

コラム一覧

【アーカイブ】現場ルポ/医療介護ビジネス新時代

アクセスランキング(4月14-20日)

  • 1位
  • 2位
  • 3位 90% 90%
メディカ出版 医療と介護Next バックナンバーのご案内

公式SNS