次期報酬改定へ在宅医療などめぐり議論 中医協

2021年 8月 25日

中医協01

コロナ対策として引き続きリモートでの開催となった

 中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)が8月25日に開催され、厚労省が示した在宅医療・訪問看護・在宅歯科医療・在宅患者訪問薬剤管理指導と入院医療に関する次期診療報酬改定に向けた論点をめぐり議論した。

 今回がこれらのテーマに関する第1回目の議論ということで、総論的な意見が中心だった。

 在宅医療について、複数の委員が指摘したのが在宅療養支援診療所(在支診)の届け出数が横ばいであること。厚労省の調査では、届け出をしない理由について「24時間の往診担当医の確保が困難であるため」との回答が8割以上となっている。

 委員からもこれが足かせになっているとして、継続診療加算を充実させることなどにより、他の医療機関との連携を強化する必要性などの意見が出された。

 在宅歯科医療に関しては、歯科治療が必要な要介護者が6割以上いるのに対し、実際に歯科治療を受けた人は2%程度にとどまっていると厚労省の調査結果が示された。

 また、歯科訪問診療を実施していない理由としては、在宅療養支援歯科診療所では「歯科訪問診療の依頼がないから」が7割を占め、在宅療養支援歯科診療所以外の歯科診療所では「歯科訪問診療に当てる時間が確保できないから」が半分以上を占めた。

 委員からは在宅歯科医療が行われていること自体が知られていないことや、歯科医師1人体制の診療所が多く訪問に出かけるのは負担が大きいなどの課題が挙げられ、後者については、ICTを使って情報を得てから訪問することで効率化を図れるようにするなどの仕組みが必要との意見が出された。

 入院医療をめぐっては、地域医療構想を後押しするような強い姿勢、新興感染症患者を入院させる体制の必要性、7対1でも病床使用率が8割を越えないと経営が成り立たない現状、医師の負担軽減につながる病棟薬剤師の地域包括ケア病棟や回復期病棟での加算評価など、多様な意見・課題・要望などが出されていた。

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2割負担対象も預貯金に応じ1割の案 部会🆕

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 今回、「持続可能性の確保」は
 
 ●「一定以上所得」「現役並み所得」の判断基準
 ●補足給付に関する給付の在り方
 ●ケアマネジメントに関する給付の在り方
 
 の3つの論点に絞って議論された。
 
 「一定以上所得」「現役並み所得」の「一定以上」とは、介護保険サービス利用時の自己負担を2割とする所得層で、「現役並み」とは自己負担3割の所得層だ。簡単にいえば所得の多い人は自己負担も多く、という応能負担の考え方に基づく施策である。現行の「一定以上所得」「現役並み所得」の基準は以下の通り。

賛否分かれる論点に進展なし 介護保険部会

 第129回社会保障審議会介護保険部会が11月20日に開かれ、「介護保険制度に関するその他の議題」「持続可能性の確保」などが議論された。
 
 「持続可能性の確保」の内容は
 
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 ●被保険者範囲・受給者範囲
 ●金融所得・金融資産の反映の在り方
 
 など、注目度が高い項目が多く、これまでも議論が続いてきたが、今回は事務局から具体的にどうするか、施策の方向は示されていない。
 
 ケアマネジメントに関する給付の在り方については、他サービスと同様に幅広い利用者に負担を求めること(ケアマネジメント有料化)や、その判断にあたって利用者の所得状況を考慮することをどう考えるか、住宅型有料老人ホームの入居者に係るケアマネジメントについて利用者負担を求めるか、などの論点が示された。

特例介護の新類型を提案 介護保険部会

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 「人口減少・サービス需要の変化に応じたサービス提供体制の構築等」は、10月に開催された第126回部会で提案された、「特例介護サービス」の新たな類型案について、具体的に提案された。
 
 現行の特例介護サービスは、全国を対象地域とする「基準該当サービス」と厚労大臣が定める地域を対象とする「離島等相当サービス」である。事業者は指定でなく登録、人員配置基準は指定サービスより緩和されている(離島等相当サービスでは人員配置基準の規定はない)。報酬も、介護報酬を基準に市町村が設定する。これらは居宅サービスに適用される。

有料は届出から登録へ 望ましいあり方検討会

 第7回有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会が10月31日に開催され、とりまとめ案について議論した。
 
 とりまとめ案は有料老人ホーム(以下、有料)における安全性やサービスの質の確保、入居契約の透明性確保、紹介事業の透明性や質の確保、指導監督や「囲い込み」対策の在り方など多岐にわたる。主な内容を以下に挙げる。
 
 ●中重度の要介護者(要介護3以上)や医療ケアを必要とする要介護者、認知症の人などを入居対象とする有料については、行政の関与により入居者保護を強化するため、登録制を導入。
 
 ●登録制は、公平性の観点から、要件に該当する既存の有料にも適用される。既存の有料が新制度に移行する際は一定の経過措置を設ける。
 
 ●参入後も事業運営の質の維持が求められるため、更新制や更新拒否の仕組みもつくる。行政処分を受けた運営事業者は一定期間、有料の開設が制限される。
 
 ●こうした有料については、高齢者の尊厳の保障やサービスの質の確保の観点から、職員体制や運営体制に関する一定の基準を法令で儲ける。

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