NTTが上越市の介護事業所で56%の業務効率化を実証

2025年 4月 25日

 上越5e協議会と丸互(新潟県上越市)、NTT東日本は、2024年8月から25年3月まで上越市の複数の介護事業所で「tsuzumi」を活用した業務効率化を目的とする実証事業を行い、業務効率を56%向上させることに成功した。

 tsuzumiはNTTが開発した、軽量でありながら世界トップレベルの日本語処理性能を持つ大規模言語モデル(LLM)。同グループでは、これを使った商用サービスを24年3月に開始した。

 今回実証を行った介護事業者では、利用者1人あたり1日の介護記録の登録に約40分かかっていた。そこで、パソコンのキーボードから手入力をする代わりに、スマートデバイスを模擬したノートパソコンから介護士が音声により報告内容を入力することにした。

 その上で、tsuzumiを通じて音声認識した言葉を適切に文字化する「校正」と、音声認識した言葉を介護記録の適切な項目に仕分ける「仕分け」を行い、食事や排せつ、入浴などの介護記録として自動記録する実証を行った。

 また、実証構成としては介護システムの提供を行っている丸互の事業所にtsuzumiのサーバーを設置し、NTT東日本のフレッツ・VPNプライオ回線を経由して遠隔にある介護事業所に接続して実証した。

 2つの介護事業者の複数の介護士を対象として「体温や血圧などのバイタル」「入浴」「排泄」「食事」「レクやリハビリ」「その他の記録すべきケース」の記録業務を対象にランダムに実施し、業務効率化とtsuzumiの正答率の2つの観点で評価を行った。

 その結果、業務効率化は56%(1人あたりの1日の介護記録の登録にかかっていた時間を、39分から17分へ削減)、tsuzumiの正答率は78%となった。

 今後、丸互は介護システムとの連携のためのAPIを開発し、介護システムベンダーとの共創と商用化に取り組む。NTT東日本は誤認識となった出力部分の分析を行い、正答率の向上に向けてtsuzumiの改善を図り、将来的にはスマートデバイス化・フリーハンドによる記録を目指す。

 なお、上越5e協議会は上越市の産・官・学・金・民の協力連携のもとで IT を活用することにより、ビジネスやスポーツ、教育、観光、健康など、さまざまな分野が抱える問題の解決を図り、地域活性化や生活の質向上を目指す団体。

このカテゴリーの最新の記事

このカテゴリはメンバーだけが閲覧できます。このカテゴリを表示するには、年会費(年間購読料) もしくは 月会費(月間購読料)を購入してサインアップしてください。

撃吸収マット「ころやわ」の個人向けを発売🆕

 Magic Shieldsは転倒時の骨折リスクを低減する衝撃吸収フロア・マット「ころやわ」シリーズの個人向け製品として、自由に並べて手軽に設置できる工事不要の「ころやわDIY(ディーアイワイ)」をリニューアル発売した。  同製品は病院や特別養護老人ホーム、有料老人ホームなどの介護施設を中心にすでに1,000以上の施設に導入されている。  今回発売した個人向けは初期費用や大がかりな工事がいらず、必要な場所に並べるだけで転倒骨折対策が施せる。生活動線やベッド周りなど、リスクの高いエリアから安全対策が始められる。...

従来品をリニューアルした新製品発売 タカノ🆕

 タカノはウレタン積層構造の車いす用クッション「タカノクッションS」を発売した。30年以上の車いす用クッション販売実績を持つタカノが、介護現場の声を基に従来品の「タカノクッションR」をリニューアルし、形状の見直し・新機能の追加などを行った。  新製品で硬度・密度の異なるウレタンを独自ノウハウで組み合わせた「ウレタン積層構造」、仙骨・尾骨への負担を軽減する「シャインスポット」、シンプルで用途別に選びやすい「4タイプの形状」を採用した。...

「ほのぼのNEXT」と「ケアデータコネクト」が連携🆕

 エヌ・デーソフトウェアとbrightvieは、両社の主力商品である介護業務支援ソフトウェア「ほのぼのNEXT」と、センサー情報一元管理システム「ケアデータコネクト」の連携を開始する。  今回の連携により、ケアデータコネクトに接続された複数の見守りセンサーなどから取得したバイタルデータや状態変化などの情報を、ほのぼのNEXTの介護記録システムに自動で取り込むことが可能になる。...

介護技術活用の秘訣をネットで提供 善光総研🆕

 善光総合研究所は介護領域のデジタル中核人材の育成事業の一環として、介護テクノロジー活用の習得と実践のノウハウをオンラインで提供するe-learningプラットフォーム「SCOP learning(スコップ ラーニング)」のβ版(テスト版)を公開した。  現場のDXを成功させるには個人のスキルアップだけでなく、組織全体での知識の標準化とAI・IoT・ロボットといった最新テクノロジーを使いこなすことが不可欠であることから開発した。...

「運動による老化時計の制御」の共同研究を実施

 日本郵政と東北大学スマート・エイジング学際重点研究センター、大塚製薬は、「運動による老化時計の制御」に関する共同研究の契約を締結した。  「DNAメチル化老化時計(老化時計)」を活用し、1人ひとりの「生物学的老化度」を科学的に可視化する。  血液からDNAを抽出し、加齢に伴うメチル化パターンを解析することで、被験者個々の生物学的老化度を測定する。  具体的には、運動習慣のない中年層(約15人)を対象とし、3カ月間の中強度有酸素運動や高強度インターバルトレーニングを相対的な運動強度で実施する。...

1週間無料でお試し購読ができます  詳しくはここをクリック

新着記事は1カ月無料で公開

有料記事は990円(税込)で1カ月読み放題

*1年間は1万1000円(同)

〈新着情報〉〈政策・審議会・統計〉〈業界の動き〉は無料

【アーカイブ】テーマ特集/対談・インタビュー

コラム一覧

【アーカイブ】現場ルポ/医療介護ビジネス新時代

アクセスランキング(2月2-81日)

  • 1位
  • 2位
  • 3位 90% 90%
メディカ出版 医療と介護Next バックナンバーのご案内

公式SNS