在宅患者訪問診療料の算定に地域差 中医協

2023年 7月 14日

 中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)は7月12日、来年度の診療報酬改定に関する検討項目のうち、在宅医療について厚労省が論点を示し、委員が意見を述べた。

 論点として挙げられたのは、訪問診療・往診、訪問看護、歯科訪問診療、訪問薬剤管理、訪問栄養食事指導の各項目である。

 訪問診療・往診については、実施している診療所の数は横ばいである一方、病院は増えており、在宅患者訪問診療料の算定回数も2014年から一貫して増加している。しかし、都道府県別に見るとばらつきがあり、人口当たりで最大3.5倍の差が生じている。

 この状況に対し、診療側委員から訪問診療・往診を行う機関としては①かかりつけ医②往診・訪問診療専門クリニック③メガ在宅の3つがあり、②③の有無が算定回数に影響しているのではないかとの指摘があった。

 専門クリニックやメガ在宅は、地方では事業が成り立ちにくいことから、地域差ごとに訪問診療・往診が可能になる体制を考えていくことが必要との考えも示された。

 訪問看護に関しては、ターミナルケアや医療保険の利用者も増えている。このためオンコールに備え、24時間体制を取る必要があり、看護師が精神的に負担を感じていると専門委員が指摘した。

 こうしたことから訪問看護ステーションの大規模化が進んでいることが厚労省の資料で示され、委員は事業所間の連携が必要と述べた。
歯科訪問診療では、在宅医療サービスを実施する診療所の割合は増加しているものの、2020年でも2割にとどまっている。

 その理由としては「必要な機器・機材がない」「時間が確保できない」「依頼がない」が上位を占めており、委員から訪問診療を提供する体制の構築を求める意見があった。

 訪問薬剤管理については、厚労省の調査で薬局の7割が「在宅対応あり」と回答。在宅訪問時の薬剤管理上の問題点として、ターミナル期の患者では医療用麻薬の管理が多いことが挙げられた。

 医療用麻薬は種類が多く、廃棄量も多いことから、それへの診療報酬上の評価を求める意見が委員から出された。

 訪問栄養食事指導では、算定回数は増えているが、月に約1万回程度と少ないのが現状だ。その理由として、病院では「管理栄養士が訪問指導を行う体制が整っていない」、診療所では「管理栄養士がいない」との回答が多く挙げられている。

 このため、管理栄養士が配置している在支病や栄養ケア・ステーションの活用も含めた指導の体制整備が求められていることが示された。

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2割負担は先送り 介護保険部会が「意見」

 第133回社会保障審議会介護保険部会が12月25日に開かれ、「介護保険制度の見直しに関する意見」が確定した。
 
 議論が続いた「一定以上所得」の判断基準については、第10期介護保険事業計画(2027~29年度)の開始前までに結論を得ることとなった。
 
 これは利用者負担が2割となる基準で、現行制度では年金収入+その他の合計所得が年280万円以上340万円未満である(単身世帯の場合)。340万円以上は「現役並み所得」とされ、3割負担だ。
 
 介護保険制度の持続可能性確保のためにその基準を拡大し、2割・3割負担となる層を広げるかどうか。
 
 具体的には、「一定以上所得(2割負担)」の下限を260万円~230万円の範囲で引き下げる案が示され、長く議論されてきたが、決着には至らなかった。「現役並み所得」の判断基準は「引き続き検討を行う」と、期限も示されなかった。
 
 そのほか、軽度者への生活援助サービスを給付から切り離して総合事業に移行する案も結論は出ず、「引き続き包括的に検討する」となった。

制度見直しの議論続く 介護保険部会

 第132回社会保障審議会介護保険部会が12月22日に開かれ、前回に続き「介護保険制度の見直しに関する意見(案)」などが議論された。
 
 今回提示された案では、「一定以上所得の判断基準」について、これまで同様、年金収入+その他の合計所得を「年260万円~230万円の範囲」とした。まだ具体的な方向は見えない。委員の中には「2割負担の対象を拡大すべきでない」との意見も根強い。
 
 「拡大すべきでない」論者の意見は、
 
 ・医療ではOTC類似薬への新たな負担など、高齢者の負担増が確実。介護でも負担増は避けるべき
 
 ・負担増から利用控えが起こると、子世代にしわ寄せがくる。介護離職が増えるのでは
 
 ・現役世代の負担軽減は重要だが、サービスを使えなくなった親を子が援助すれば結局子の負担は増える
 
 などがある。持続可能性を高めるには被保険者の範囲や公費負担も見直すべき、との意見もあった。

2割負担、ケアマネジメントの在り方は 部会

 第131回社会保障審議会介護保険部会が12月15日に開かれ、「介護保険制度の見直しに関する意見(案)」などが議論された。
 
 「介護保険制度の見直しに関する意見」は2022年12月に“第1弾”が公表されている。このとき結論が出されなかった、〈「一定以上所得」「現役並み所得」の判断基準〉〈補足給付の在り方〉〈ケアマネジメントに関する給付の在り方〉〈軽度者への生活援助サービスに関する給付の在り方〉などについて、これまで部会で議論が続けられた。
 
 これらは「次期計画に向けて得ることが適当」「第10期計画の開始までに出すのが適当」「引き続き検討」とされた。次期計画とは現在の第9期(2024-26年度)、第10期は27-29年度である。
 
 「一定以上所得の判断基準」は「次期計画に向けて」だったが、まだ決着していない。2割負担の拡大、すなわち適用される所得の引き下げにつながることから、反対意見が根強かった。現行制度では、2割負担となる所得基準は年280万円以上だ。これをどこまで引き下げるか。年260万円~230万円の範囲が提案されている。
 
 引き下げ幅が大きいほど、2割負担となる人は増える。ただ引き下げと同時に「配慮措置」も提案されている。①新たに負担増となる場合、増加の上限を月額7000円とする、②預貯金等が一定額以下の人は申請により1割負担に戻す、の2つだ。

訪問介護の倒産止まらず 報酬引き下げなど響く

 東京商工リサーチの調査によると、訪問介護事業者の2025年の倒産(負債1000万円以上)が11月末までに85件に達し、これまで最多だった23年67件、24年81件をすでに超え、3年連続で最多を更新した。  人手不足や24年度の介護報酬改定で訪問介護の基本報酬が引き下げられたことに加え、人件費やガソリン代、運営コストの上昇が要因と見込まれる。  25年の訪問介護事業者の倒産は11月末までに85件(前年81件)で、3年連続で年間最多を更新した。...

2割負担対象も預貯金に応じ1割の案 部会

 第130回社会保障審議会介護保険部会が12月1日に開かれ、「持続可能性の確保」「論点ごとの議論の状況」などが議論された。
 
 今回、「持続可能性の確保」は
 
 ●「一定以上所得」「現役並み所得」の判断基準
 ●補足給付に関する給付の在り方
 ●ケアマネジメントに関する給付の在り方
 
 の3つの論点に絞って議論された。
 
 「一定以上所得」「現役並み所得」の「一定以上」とは、介護保険サービス利用時の自己負担を2割とする所得層で、「現役並み」とは自己負担3割の所得層だ。簡単にいえば所得の多い人は自己負担も多く、という応能負担の考え方に基づく施策である。現行の「一定以上所得」「現役並み所得」の基準は以下の通り。

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