中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)は12月10日、2022年度診療報酬改定について、診療報酬を引き上げるべきではないとする支払側委員の意見と、引き上げを求める診療側委員の意見の両論を盛り込んだ、公益委員による意見書案を了承し、後藤茂之厚労相に提出した。
意見書を後藤茂之厚労相の代理である大臣官房審議官に手渡す小塩隆士会長(左)
支払側委員は引き上げるべきでないとの理由として、医療経済実態調査で医療法人の病院が黒字であること、6月の損益差額が前年に比べおおむね改善し、一般診療所では一昨年6月を上回ったことなどを挙げた。
一方、診療側委員は新型コロナの感染拡大により、補助金を加味しても損益差額率が一般病院ではほぼプラスマイナスゼロ、一般診療所では前々年度よりも縮小していること、新興感染症の流行などに対応できるよう、平時の医療提供体制の余力が必要であることなどを論拠として示した。
なお、意見書では医療に関するさまざまな課題を解決するため、診療報酬だけでなく幅広い施策を組み合わせて講じていくことが重要だとして、施策の成果や健康への影響などを正確・迅速に把握・検証し、施策の見直しに役立てるため、人材・体制を充実させることを要望している。