患者を自動搬送 慶應病院とWHILが実証試験

2020年 8月 31日

自動運転システムのイメージ

   自動運転システムのイメージ

 慶應義塾大学病院とWHIL(東京都品川区)は、院内地図情報をもとに患者を搬送する自動運転システムの実証実験を、91日から来年331日まで行う。同システムはスタッフのサポートを必要とせずに、パーソナルモビリティを使って自身の操作で院内の目的地まで移動するもの。

 

 実証実験では同病院の患者を対象に、院内(1号館1階総合案内~正面入口総合案内)で、自動運転システムにより所定の場所に搬送する。往路は運転を必要としない自動運転モードで走行し、利用終了後は無人運転により元の場所に返却される。

 院内の診療エリアが広くなったことで歩行距離が長くなり、長距離歩行に不安のある患者や足腰に障害がある患者など、自身で目的地まで移動するのが困難な患者に対し、院内の移動手段を提供して歩行時の転倒防止を図る。

 あわせて、自動運転により病院スタッフがサポートすることなく目的地まで移動することで、病院スタッフの負担軽減を同時に達成することを目標としている。

 あらかじめ院内の地図情報を作製し、地図情報を記憶した自動運転、衝突回避機能を搭載したパーソナルモビリティが、センサー群で探知した周囲の状況を解析しながら運行し、出発時に設定した目的地へ、搭乗者自身は操作することなく乗っているだけで移動する。

 同病院は2018年に、Society 5.0を実現する内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の「AI(人工知能)ホスピタルによる高度診断・治療システム」事業の公募に採択され、病院のIT化・AI化を推進している。今回の取り組みは、このAIホスピタルプロジェクトの支援によって行われている。

このカテゴリーの最新の記事

このカテゴリはメンバーだけが閲覧できます。このカテゴリを表示するには、年会費(年間購読料) もしくは 月会費(月間購読料)を購入してサインアップしてください。

介護用を連想させないデザインの電動ベッド発売🆕

 フランスベッドグループの東京ベッド(東京都港区)は、医療福祉用ベッドを手がけるランダルコーポレーション(埼玉県朝霞市)と初めてコラボレーションした電動ベッド「A-Shape」を発売した。
 
 新製品は背上げ・脚上げ・昇降機能の3モーター仕様の家庭用電動ベッドで、介護用ベッドを連想させない生活空間に馴染むデザインが特徴。ランダルコーポレーションの特許技術である「八の字」形状のフレームで昇降時に揺れが少ない「八の字垂直型昇降機構」、背上げ時に腹部の圧迫を軽減する機能「ストレッチラインモーション」を採用している。

訪問スケジュール自動作成と記録ソフトが連携🆕

 ゼスト(東京都新宿区)とロジック(金沢市)は、それぞれが提供する訪問スケジュール自動作成クラウドと、訪問介護・看護事業者向け業務支援SaaS「Care-wing 介護の翼」のデータ連携を開始した。  ゼストはAIがスケジュール作成者に代わり、利用者と職員のマッチング条件、職員の勤務シフト、担当者の固定やチーム制、ローテーション、複数人による同行訪問などの条件を考慮した上で、最も効率的な移動ルートのスケジュールを提案する。  一方、Care-wing...

医療と介護の複合施設が東京・練馬区にオープン🆕

 東京都練馬区が所有する練馬光が丘病院跡施設を活用した、区内初の医療と介護の複合施設である「光が丘医療福祉プラザ」がオープンした。  医療分野では慈誠会「光が丘病院」と訪問診療を行う「ねりま在宅診療所」が入る。光が丘病院は157床で、うち区内初の緩和ケア病床が16床、光が丘地域初の地域包括ケア病床が50床、認知症治療病床が43床、医療療養病床が48床となっている。  介護分野は特別養護老人ホームの慈誠会「光が丘介護医療院」、「光が丘福祉専門学校」、看護小規模多機能型居宅介護事業所「光が丘ライフプラザ」で構成されている。...

NTTが上越市の介護事業所で56%の業務効率化を実証

 上越5e協議会と丸互(新潟県上越市)、NTT東日本は、2024年8月から25年3月まで上越市の複数の介護事業所で「tsuzumi」を活用した業務効率化を目的とする実証事業を行い、業務効率を56%向上させることに成功した。  tsuzumiはNTTが開発した、軽量でありながら世界トップレベルの日本語処理性能を持つ大規模言語モデル(LLM)。同グループでは、これを使った商用サービスを24年3月に開始した。...

遠隔リハビリ実現へ 上肢・肩甲骨運動データ公開

 NEDOが進める「人工知能活用による革新的リモート技術開発事業」で、産業技術総合研究所(産総研)と京都大学、東京大学、セイコーエプソン、エブリハは、遠隔でリハビリテーションができる社会の実現に向けて、上肢・肩甲骨運動に特化した世界初のオープンデータセットを公開した。  同事業では、リハビリ利用者がリハビリやトレーニングを継続する上で直面するさまざまな課題に着目し、各リハビリプロセスを遠隔で実現するリモート技術基盤のプロトタイプの開発を進めてきた。...

1週間無料でお試し購読ができます  詳しくはここをクリック

新着記事は1カ月無料で公開

有料記事は990円(税込)で1カ月読み放題

*1年間は1万1000円(同)

〈新着情報〉〈政策・審議会・統計〉〈業界の動き〉は無料

【アーカイブ】テーマ特集/対談・インタビュー

コラム一覧

【アーカイブ】現場ルポ/医療介護ビジネス新時代

アクセスランキング(4月28日-5月4日)

  • 1位
  • 2位
  • 3位 90% 90%
メディカ出版 医療と介護Next バックナンバーのご案内

公式SNS