自動運転システムのイメージ
慶應義塾大学病院とWHIL(東京都品川区)は、院内地図情報をもとに患者を搬送する自動運転システムの実証実験を、9月1日から来年3月31日まで行う。同システムはスタッフのサポートを必要とせずに、パーソナルモビリティを使って自身の操作で院内の目的地まで移動するもの。
実証実験では同病院の患者を対象に、院内(1号館1階総合案内~正面入口総合案内)で、自動運転システムにより所定の場所に搬送する。往路は運転を必要としない自動運転モードで走行し、利用終了後は無人運転により元の場所に返却される。
院内の診療エリアが広くなったことで歩行距離が長くなり、長距離歩行に不安のある患者や足腰に障害がある患者など、自身で目的地まで移動するのが困難な患者に対し、院内の移動手段を提供して歩行時の転倒防止を図る。
あわせて、自動運転により病院スタッフがサポートすることなく目的地まで移動することで、病院スタッフの負担軽減を同時に達成することを目標としている。
あらかじめ院内の地図情報を作製し、地図情報を記憶した自動運転、衝突回避機能を搭載したパーソナルモビリティが、センサー群で探知した周囲の状況を解析しながら運行し、出発時に設定した目的地へ、搭乗者自身は操作することなく乗っているだけで移動する。
同病院は2018年に、Society 5.0を実現する内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の「AI(人工知能)ホスピタルによる高度診断・治療システム」事業の公募に採択され、病院のIT化・AI化を推進している。今回の取り組みは、このAIホスピタルプロジェクトの支援によって行われている。