ユカリア(東京都千代田区)が開発・販売する医療従事者向けベッドサイド情報端末「ユカリアタッチ」が東京都青梅市の市立青梅総合医療センターで運用開始した。
ユカリアタッチの主要機能のひとつである「電子化ピクトグラム」は、患者の安静度や禁飲食、アレルギー情報や医療・看護上の個別注意事項などを分かりやすいイラスト記号として表示することにより、医療従事者間 の円滑な情報共有に貢献する。
また、「バイタルデータ入力・電子カルテ自動連携機能」では、体温計や血圧計などのNFC(非接触通信の国際規格)式測定器をユカリアタッチにかざすだけで、電子カルテにバイタルサインが自動連携・登録されるため、データの未入力・誤入力、入力までのタイムラグ発生防止につながる。
市立青梅総合医療センター(全521床)は、救命救急センターや地域がん診療連携拠点病院、東京都周産期連携病院などの指定を受けた西多摩医療圏の高度急性期・急性期医療を担う基幹病院。
同院の新病院整備事業の1つである、新病院本館が11月1日から稼働を開始し、病棟における医療の質・安全の向上、業務の効率化への効果を期待してユカリアタッチを導入することになった。
看護現場では医師からの指示や医療・看護上必要な患者情報を床頭台に札や付箋、マグネットなどを使って医療者間で情報共有するケースが大半を占めている。
しかし、こうしたアナログな情報共有の在り方では、古い情報が伝わる、見落しが生じる、差替えの手間がかかるなど、看護師の業務負荷だけでなく、患者の状態変化や注意事項を確実・適切に共有できないという事態が慢性的に起こっている。
ユカリアがこれまで15年以上にわたり病院経営支援に取り組む中で、医療現場に存在する課題への理解を通じてユカリアタッチを開発した。
2017年2月に本格的に販売開始以来、2023年12月時点で累計1万8000台以上、全国約70の病院に導入されている。