尿で健康見える化する実証実験 小林製薬など

2022年 4月 11日

 ファーストスクリーニング(FSC)、NTTデータMSE、小林製薬の3社は、尿から健康状態を見える化し、健康意識を高めて行動変容を促す実証実験「健康見える化プロジェクトを4月から順次開始する。

 FSCは数滴の尿から尿中の成分を測定するセンサー「ハカレルシリーズ」を開発した。プロジェクトの参加者は、このセンサーを使用し、毎日の健康状態を専用アプリで管理する。

 普段の生活に健康管理食や運動といった健康活動を取り入れ、その成果を数値で実感することで、さらに前向きに健康活動に取り組む状態へつながるかを確認する。

 ハカレルシリーズは、測定器にスティック装着し、尿を数滴かけることで、尿中の「尿酸・尿糖・ナトリウム/カリウム」が測定できる。スティックは使い捨てなので衛生的だ。

 測定データはクラウド上で解析・保存され、スマートフォン等の端末で確認や管理することができる。

 これまで、自宅で食事や運動などの健康活動の成果を確認するには、体重や血圧測定などが一般的だった。ハカレルシリーズでは「健康情報の宝庫」と呼ばれる体の内側から排出された尿を使い、健康状態を簡単に、より具体的に見える化することができる。

 実験では、日常的な尿成分の測定に加え、比較のために採血キットを用いた血液成分も測定する。

 健康活動として、被験者は健康管理食(弁当)の摂取を中心に、サプリメントの接種や健康運動に取り組む。など、健康運動とは自身の心と身体の健康状態に目を向け、目的をもって取り組む身体活動のこと。

 今回のプロジェクトで得られた成果を活用し、小林製薬はFSCの技術をベースとしたハカレルシリーズの一般発売、MSEはサービスの展開を目指す。

このカテゴリーの最新の記事

このカテゴリはメンバーだけが閲覧できます。このカテゴリを表示するには、年会費(年間購読料) もしくは 月会費(月間購読料)を購入してサインアップしてください。

“ホスピスホーム”分析レポート発行 タムラP🆕

 高齢者住宅のデータベースとコンサルティングを提供するタムラプランニングアンドオペレーティング(田村明孝社長)は、ホスピスホーム(同社は「緩和ケアホーム」と呼称)の実情に関する分析レポートを今月発行した。
 
 近年、入院期間短縮が促進され、医療機関以外の場所への訪問看護サービス需要が増大している。訪問看護の報酬は介護保険か医療保険から給付され(下図)、要介護・要支援認定者は介護保険が優先する。
 
 要介護・要支援認定者が医療保険で訪問看護サービスを受けるには、特定の病気・状態(末期がんや人工呼吸器使用など)に該当し主治医の指示が必要だ。

機内で座位姿勢を支えるベルトを共同開発🆕

 ダイヤ工業(岡山市)と日本航空は、座位保持が困難な人や補助を必要とする人の座位姿勢をサポートするサポートベルトを共同開発し、運用を開始した。体幹を保つことができない人でも、この製品を装着することで座位姿勢を固定でき、空の旅を快適に過ごすことができる。
 
 座席のシートベルトを着用した状態で、上半身を座席に固定する。特に、身体が不自由な人や病気・ケガなどの理由により座位を保つことが困難で、補助が必要な人を対象としている。
 
 「ベストタイプ」と「ベルトタイプ」の2種類あり、体の状態に合わせて利用する。ベストタイプはベストのように着用し、前面(胸側)にあるバックルを締める。ベルトを座席の後ろで交差させた後、前面で面ファスナーを留める。腕を通すことが難しい場合には、左右別々にして、片方ずつ着用することもできる。

病院と患者をつなぐアプリの提供開始 ユカリア🆕

 ユカリアは病院と患者のコミュニケーションを支援する、AIを活用したアプリ「ユカリアメルジュ」のサービス提供を開始した。  外来・入院・退院後の各シーンで患者・家族と病院をつなぎ、情報提供や各種説明をサポートすることで、医療従事者の負担軽減と患者の理解促進を目指す。  主な機能にはワクチンや検診の案内、治療内容の説明、術後のリハビリやセルフケアの方法の提供が含まれる。初診後すぐに案内を行い、入院前や退院後のフォローアップを行うことで、患者の治療体験を向上させる。...

すい臓がんなど早期発見へ MRI検査サービスを拡大

 ユカリアの完全子会社であるスマートスキャンは、MRI検査サービス「スマート脳ドック」を導入している一部施設に提供中の「がんドック」のメニューを順次拡大する。  これにより、進行するまで自覚症状が乏しく、発見が遅れがちなすい臓がん、前立腺がん、子宮・卵巣がんの早期発見にも対応できるようになる。...

墨田区に障害者支援や宿泊などの複合福祉施設

 日常福祉合同会社は墨田区京島にある商店街「向島橘銀座商店街(通称:キラキラ橘商店街)」の2階建て約400㎡の昭和建築をフルリノベーションし、福祉から観光・まち・文化をつなぐ複合福祉施設「TACHIBANA TERMINAL─ 橘銀座多機能複合拠点」を開設した。  社会課題を価値に変える仕組みの構築を目指し、福祉のまちづくり・再生型観光・アートコミュニティといった領域を横断する活動を、同施設を拠点に展開する。5月からプレオープン期間として施設内の各スペースの営業を順次開始し、7月1日にグランドオープンする。...

1週間無料でお試し購読ができます  詳しくはここをクリック

新着記事は1カ月無料で公開

有料記事は990円(税込)で1カ月読み放題

*1年間は1万1000円(同)

〈新着情報〉〈政策・審議会・統計〉〈業界の動き〉は無料

【アーカイブ】テーマ特集/対談・インタビュー

コラム一覧

【アーカイブ】現場ルポ/医療介護ビジネス新時代

アクセスランキング(6月9-15日)

  • 1位
  • 2位
  • 3位 90% 90%
メディカ出版 医療と介護Next バックナンバーのご案内

公式SNS