20年の自殺者数が11年ぶり増加 厚労省など

2021年 3月 31日

 厚生労働省と警察庁がまとめた2020年の自殺者数は2万1081人で、前年に比べ912人(4.5%)増となり、11年ぶりに前年を上回った。男性は11年連続で減少したものの、女性は2年ぶりに増加した。男性の自殺者数は女性の2倍となっている。

 月別では、2~6月は前年を下回ったものの、7~12月は前年を上回った。自殺の要因は複合的なものだが、新型コロナウイルス感染症拡大の先行き不透明感が強まった年後半が増加していることから、その影響が大きいと考えられる。

 人口10万人当たりの自殺者数(自殺死亡率)は16.7で、女性は10.9となり1.5ポイント上昇。男性は22.9で横ばいだった。

 年代別では、50歳代・60歳代以外の各年代で増加した。前年に比べ60歳代が107人減と大きく減った一方、20歳代が404人増え、年代別で最も大きく増加した。

 年代別の自殺死亡率でも50歳代・60歳代以外の各年代で上昇。20歳代と10歳代が大きく上昇し、それぞれ3.0ポイント、1.1ポイントの上昇となった。

 職業別では前年に比べ自営業・家族従業者が大きく減少した一方、被雇用者・勤め人の増加が最も大きく、540人増えた。

 都道府県別では、前年に比べ14道県で減ったものの、31都府県で増加し、2県は横ばいだった。東京都が最も多く、次いで大阪府、神奈川県の順となり、累計感染者数と同じ順だった。増加幅では神奈川県の193人、大阪府の178人、東京都の124人の順となっている。

 自殺死亡率では、京都府(13.7)・神奈川県(13.8)・岡山県(14.1)が低かったが、山梨・岩手・宮崎・富山・青森・新潟・秋田の各県は20.0以上だった。

このカテゴリーの最新の記事

このカテゴリはメンバーだけが閲覧できます。このカテゴリを表示するには、年会費(年間購読料) もしくは 月会費(月間購読料)を購入してサインアップしてください。

ホーム紹介の実態提示 望ましいあり方検討会始まる🆕

 第1回有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会が4月14日に開催され、有料老人ホーム(以下、「有料」)の現状と課題、論点が提示された。

 
 「有料」の定義は、「老人を入居させ、①食事の提供、②介護(入浴・排泄・食事)の提供、③洗濯・掃除等の家事の供与、④健康管理、のいずれか(複数可)を提供している施設」であるため、基準を満たせば介護保険制度の「特定施設入居者生活介護」の給付対象にもなる。それがいわゆる「介護付き有料」だ。
 
 「介護付き有料」には介護保険施設のような設備基準や夜間の人員配置基準などが定められておらず、サービスの質をどう担保するかが課題とされてきた。

常勤職員の基本給は1万円余増 給付費分科会

 第245回社会保障審議会介護給付費分科会が3月24日に開催され、令和6年度介護従事者処遇状況等調査の結果が報告された。  令和6(2024)年度介護従事者処遇状況等調査は特養、老健、訪問介護、通所介護など9種・1万3801施設・事業所を対象に、24年10月に行われた。...

介護職員給与1万3960円増 処遇改善加算取得で

 厚生労働省は3月18日に開催した社会保障審議会介護給付費分科会で、2024年度の介護従事者処遇改善状況等調査結果を公表した。  それによると、処遇改善加算を取得している施設・事業所の職員(月給・常勤)の昨年9月時点の平均給与(賞与などを含む)は33万8200円で、前年同月に比べ1万3960円(4.3%)増加した。賞与などを除いた基本給は25万3810円で同1万1130円増だった。  調査は全国の1万3801施設・事業所を対象に実施し、8180施設・事業所から回答があった(有効回答率59.3%)。...

介護保険利用者の情報を一元化 来年4月から着手

 厚生労働省社会保障審議会介護保険部会は3月17日に開催された会合で、介護分野の情報を一元化する取り組みを来年4月から開始する方針を了承した。  要介護度認定に必要な主治医意見書や要介護度、ケアプランなど、介護保険利用者の基本情報を1つにまとめ、介護事業者や医療機関、自治体などがインターネットで確認できるようにする。  これにより、自治体や事業所の事務負担を軽減し、サービスを提供するスピードを早めることが期待できる。マイナンバーカードの活用も視野に入れている。...

24年の出生数72万人で過去最少 前年比5%減

 厚生労働省の人口動態統計速報によると、2024年に生まれた子どもの数(外国人を含む出生数)は、72万988人で過去最少となった。9年連続の減少で、前年に比べ3万7643人(5.0%)のマイナスとなった。  一方、死亡数は161万8684人で過去最多。4年連続で増加し、同2万8181人(1.8%)のプラス。この結果、死亡数から出生数を引いた自然増減数は89万7696人で、過去最大の減少となった。18年連続のマイナスで、同6万5824人減った。...

1週間無料でお試し購読ができます  詳しくはここをクリック

新着記事は1カ月無料で公開

有料記事は990円(税込)で1カ月読み放題

*1年間は1万1000円(同)

〈新着情報〉〈政策・審議会・統計〉〈業界の動き〉は無料

【アーカイブ】テーマ特集/対談・インタビュー

コラム一覧

【アーカイブ】現場ルポ/医療介護ビジネス新時代

アクセスランキング(4月14-20日)

  • 1位
  • 2位
  • 3位 90% 90%
メディカ出版 医療と介護Next バックナンバーのご案内

公式SNS