介護報酬改定 新型コロナ対応で0.1%上乗せ

2021年 1月 19日

 厚生労働省は1月18日、21年度介護報酬改定で新たに創設する加算や変更となる単位数を、同日開催した社会保障審議会・介護給付費分科会に示した。

 感染症や災害への対応力強化を図るとともに、地域包括ケアシステムや自立支援・重度化防止への取り組みの推進、介護現場の革新などを図るため、ほぼすべてのサービスで報酬を引き上げる。また、新型コロナへの対応策として、4月から9月までの半年間、すべての基本報酬に0.1%上乗せすることになった。

 地域包括ケアシステムの推進に向け、認知症や看取りなどで新たな加算を設ける。認知症については、訪問系サービスで認知症専門ケア加算を、多機能系サービスで緊急時の宿泊ニーズに対応するため、認知症行動・心理症状緊急対応加算を新設した。

 看取りでは、特養、老健、介護付きホーム、認知症グループホームでの看取りに関して、現行の死亡日30日前に加えて、45日前からの対応について加算を新設。介護付きホームに関しては、看取り期に夜勤または宿直により看護職員を配置している場合、新たな区分を設ける。

 短期療養については基本報酬の評価を見直すとともに、医療ニーズのある利用者の受け入れを促進するため、老健を対象に総合医学管理加算を新設。介護医療院での長期入院患者の受け入れを進めるため、長期療養生活移行加算を設ける。

 ケアマネジメントに関しては、利用者が医療機関で診察を受ける際にケアマネが同席し、医師などと情報連携を行い、ケアプランに記録した場合、通院時情報連携加算が算定できるほか、地域包括支援センターが介護予防支援について居宅介護支援事業所にケアプランの作成を委託する場合の委託連携加算を新設する。

 自立支援・重度化防止の取り組みでは、通所系・多機能系・居住系サービスで口腔・栄養スクリーニング加算、通所系サービスと看多機で栄養アセスメント加算、認知症グループホームで栄養管理体制加算を、それぞれ新設する。

 寝たきり・重度化防止のため、特養や老健、介護医療院などを対象に、自立支援促進加算を新たに設けるほか、褥瘡マネジメント加算と排泄支援加算に関して、新たな区分を設けるとともに、要件の見直しや単位数の変更を行っている。

 また、介護現場の革新では、居宅療養管理指導で薬剤師による情報通信機器を使った服薬指導を新たに評価する。

 介護報酬全体としては0.7%の増額が決まっており、うち新型コロナ対応分の0.05%は半年間のコロナ対応のための引き上げに充てることになる。

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2割負担は先送り 介護保険部会が「意見」🆕

 第133回社会保障審議会介護保険部会が12月25日に開かれ、「介護保険制度の見直しに関する意見」が確定した。
 
 議論が続いた「一定以上所得」の判断基準については、第10期介護保険事業計画(2027~29年度)の開始前までに結論を得ることとなった。
 
 これは利用者負担が2割となる基準で、現行制度では年金収入+その他の合計所得が年280万円以上340万円未満である(単身世帯の場合)。340万円以上は「現役並み所得」とされ、3割負担だ。
 
 介護保険制度の持続可能性確保のためにその基準を拡大し、2割・3割負担となる層を広げるかどうか。
 
 具体的には、「一定以上所得(2割負担)」の下限を260万円~230万円の範囲で引き下げる案が示され、長く議論されてきたが、決着には至らなかった。「現役並み所得」の判断基準は「引き続き検討を行う」と、期限も示されなかった。
 
 そのほか、軽度者への生活援助サービスを給付から切り離して総合事業に移行する案も結論は出ず、「引き続き包括的に検討する」となった。

制度見直しの議論続く 介護保険部会

 第132回社会保障審議会介護保険部会が12月22日に開かれ、前回に続き「介護保険制度の見直しに関する意見(案)」などが議論された。
 
 今回提示された案では、「一定以上所得の判断基準」について、これまで同様、年金収入+その他の合計所得を「年260万円~230万円の範囲」とした。まだ具体的な方向は見えない。委員の中には「2割負担の対象を拡大すべきでない」との意見も根強い。
 
 「拡大すべきでない」論者の意見は、
 
 ・医療ではOTC類似薬への新たな負担など、高齢者の負担増が確実。介護でも負担増は避けるべき
 
 ・負担増から利用控えが起こると、子世代にしわ寄せがくる。介護離職が増えるのでは
 
 ・現役世代の負担軽減は重要だが、サービスを使えなくなった親を子が援助すれば結局子の負担は増える
 
 などがある。持続可能性を高めるには被保険者の範囲や公費負担も見直すべき、との意見もあった。

2割負担、ケアマネジメントの在り方は 部会

 第131回社会保障審議会介護保険部会が12月15日に開かれ、「介護保険制度の見直しに関する意見(案)」などが議論された。
 
 「介護保険制度の見直しに関する意見」は2022年12月に“第1弾”が公表されている。このとき結論が出されなかった、〈「一定以上所得」「現役並み所得」の判断基準〉〈補足給付の在り方〉〈ケアマネジメントに関する給付の在り方〉〈軽度者への生活援助サービスに関する給付の在り方〉などについて、これまで部会で議論が続けられた。
 
 これらは「次期計画に向けて得ることが適当」「第10期計画の開始までに出すのが適当」「引き続き検討」とされた。次期計画とは現在の第9期(2024-26年度)、第10期は27-29年度である。
 
 「一定以上所得の判断基準」は「次期計画に向けて」だったが、まだ決着していない。2割負担の拡大、すなわち適用される所得の引き下げにつながることから、反対意見が根強かった。現行制度では、2割負担となる所得基準は年280万円以上だ。これをどこまで引き下げるか。年260万円~230万円の範囲が提案されている。
 
 引き下げ幅が大きいほど、2割負担となる人は増える。ただ引き下げと同時に「配慮措置」も提案されている。①新たに負担増となる場合、増加の上限を月額7000円とする、②預貯金等が一定額以下の人は申請により1割負担に戻す、の2つだ。

訪問介護の倒産止まらず 報酬引き下げなど響く

 東京商工リサーチの調査によると、訪問介護事業者の2025年の倒産(負債1000万円以上)が11月末までに85件に達し、これまで最多だった23年67件、24年81件をすでに超え、3年連続で最多を更新した。  人手不足や24年度の介護報酬改定で訪問介護の基本報酬が引き下げられたことに加え、人件費やガソリン代、運営コストの上昇が要因と見込まれる。  25年の訪問介護事業者の倒産は11月末までに85件(前年81件)で、3年連続で年間最多を更新した。...

2割負担対象も預貯金に応じ1割の案 部会

 第130回社会保障審議会介護保険部会が12月1日に開かれ、「持続可能性の確保」「論点ごとの議論の状況」などが議論された。
 
 今回、「持続可能性の確保」は
 
 ●「一定以上所得」「現役並み所得」の判断基準
 ●補足給付に関する給付の在り方
 ●ケアマネジメントに関する給付の在り方
 
 の3つの論点に絞って議論された。
 
 「一定以上所得」「現役並み所得」の「一定以上」とは、介護保険サービス利用時の自己負担を2割とする所得層で、「現役並み」とは自己負担3割の所得層だ。簡単にいえば所得の多い人は自己負担も多く、という応能負担の考え方に基づく施策である。現行の「一定以上所得」「現役並み所得」の基準は以下の通り。

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