中山間地域のサービス提供柔軟に 介護保険部会

2025年 9月 9日

 第124回社会保障審議会介護保険部会が9月8日に開かれ、「人口減少・サービス需要の変化に応じたサービス提供体制の構築」などが議論された。

 具体的な内容は、これまでの同部会での議論を踏まえた以下の6項目で、②~⑥は中山間・減少人口地域でのサービス提供体制の維持・確保についての提案である。

 ①地域の類型の考え方
 ②地域の実情に応じたサービス提供体制の維持のための仕組み
 ③地域の実情に応じた包括的な評価の仕組み
 ④介護サービスを事業として実施する仕組み
 ⑤介護事業者の連携強化
 ⑥地域の実情に応じた既存施設の有効活用

 ①地域の類型の考え方は、全国を「中山間・人口減少地域」「大都市部」「一般市等」の3つに分類し、状況に応じたサービス提供体制を構築していくことが重要、とする。「中山間・人口減少地域」についてはサービス提供の維持・確保を前提として新たな柔軟化のための枠組みを設けることを提案する。

 ②では、とりわけ中山間・減少人口地域では専門職の確保が困難で人員基準を満たせず、サービス提供体制の維持・確保が難しいと指摘する。同地域では今後、人口減少がさらに進むため、地域の介護事業者や関係職種間で連携しながら必要なサービスを受けられる体制を引き続き維持・確保できるよう、特例介護サービスの枠組み拡張を提案する。

 その1つはサービス・事業者間での連携を前提に、管理職や専門職の常勤・専従要件、夜勤要件の緩和である。さらに、同地域の訪問系サービスへの「地域の実情に応じた包括的な評価の仕組み」の導入も提案する。

 ③はこの仕組みの内容で、同地域の訪問介護に出来高報酬と「利用回数に左右されない月単位の定額報酬(包括的な評価の仕組み)」を選択可能にする枠組みを設ける、というものだ。

124介護保険部会

 ④は中山間・減少人口地域でもサービス提供体制を維持・確保するため、市町村が介護保険財源を活用し、給付に代わる新たな事業(新類型)として介護サービスを実施する仕組みの提案である。

 ⑤は中山間・減少人口地域において、法人や介護事業所が都道府県や市町村と連携しながら中心的な役割を果たす仕組みが有効ではないかと提案する。

 ⑥は中山間・減少人口地域の既存資源を有効活用するため、国庫補助で取得・改修した介護施設を別の用途に供する場合に、一定範囲内で国庫納付を免除する特例の提案である。

 これらが中山間・減少人口地域に限定しての提案であることに対して、委員から「質が担保できるか」「質の差を生じさせてはならない」「やがてこれらが一般化するのでは」などの指摘がなされた。

 ③訪問介護の報酬を「出来高/定額」の選択とする案については、「事業所は高い収益を得られる方を選ぶ。利用者不在となるのでは」との懸念が出された。

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2割負担は先送り 介護保険部会が「意見」

 第133回社会保障審議会介護保険部会が12月25日に開かれ、「介護保険制度の見直しに関する意見」が確定した。
 
 議論が続いた「一定以上所得」の判断基準については、第10期介護保険事業計画(2027~29年度)の開始前までに結論を得ることとなった。
 
 これは利用者負担が2割となる基準で、現行制度では年金収入+その他の合計所得が年280万円以上340万円未満である(単身世帯の場合)。340万円以上は「現役並み所得」とされ、3割負担だ。
 
 介護保険制度の持続可能性確保のためにその基準を拡大し、2割・3割負担となる層を広げるかどうか。
 
 具体的には、「一定以上所得(2割負担)」の下限を260万円~230万円の範囲で引き下げる案が示され、長く議論されてきたが、決着には至らなかった。「現役並み所得」の判断基準は「引き続き検討を行う」と、期限も示されなかった。
 
 そのほか、軽度者への生活援助サービスを給付から切り離して総合事業に移行する案も結論は出ず、「引き続き包括的に検討する」となった。

制度見直しの議論続く 介護保険部会

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 今回提示された案では、「一定以上所得の判断基準」について、これまで同様、年金収入+その他の合計所得を「年260万円~230万円の範囲」とした。まだ具体的な方向は見えない。委員の中には「2割負担の対象を拡大すべきでない」との意見も根強い。
 
 「拡大すべきでない」論者の意見は、
 
 ・医療ではOTC類似薬への新たな負担など、高齢者の負担増が確実。介護でも負担増は避けるべき
 
 ・負担増から利用控えが起こると、子世代にしわ寄せがくる。介護離職が増えるのでは
 
 ・現役世代の負担軽減は重要だが、サービスを使えなくなった親を子が援助すれば結局子の負担は増える
 
 などがある。持続可能性を高めるには被保険者の範囲や公費負担も見直すべき、との意見もあった。

2割負担、ケアマネジメントの在り方は 部会

 第131回社会保障審議会介護保険部会が12月15日に開かれ、「介護保険制度の見直しに関する意見(案)」などが議論された。
 
 「介護保険制度の見直しに関する意見」は2022年12月に“第1弾”が公表されている。このとき結論が出されなかった、〈「一定以上所得」「現役並み所得」の判断基準〉〈補足給付の在り方〉〈ケアマネジメントに関する給付の在り方〉〈軽度者への生活援助サービスに関する給付の在り方〉などについて、これまで部会で議論が続けられた。
 
 これらは「次期計画に向けて得ることが適当」「第10期計画の開始までに出すのが適当」「引き続き検討」とされた。次期計画とは現在の第9期(2024-26年度)、第10期は27-29年度である。
 
 「一定以上所得の判断基準」は「次期計画に向けて」だったが、まだ決着していない。2割負担の拡大、すなわち適用される所得の引き下げにつながることから、反対意見が根強かった。現行制度では、2割負担となる所得基準は年280万円以上だ。これをどこまで引き下げるか。年260万円~230万円の範囲が提案されている。
 
 引き下げ幅が大きいほど、2割負担となる人は増える。ただ引き下げと同時に「配慮措置」も提案されている。①新たに負担増となる場合、増加の上限を月額7000円とする、②預貯金等が一定額以下の人は申請により1割負担に戻す、の2つだ。

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