認知症対応力など議論 介護給付費分科会

2023年 11月 28日

 11月27日、第232回社会保障審議会介護給付費分科会が開催され、令和6年度(2024年度)介護報酬改定に向けて「認知症への対応力強化」「感染症への対応力強化」「業務継続に向けた取組の強化等」「LIFE」「口腔・栄養」「その他(高齢者虐待の防止、送迎)」について議論した。

 それぞれの主な論点は以下の通り。

認知症への対応力強化…①通所介護の認知症加算の見直し、②訪問系の認知症専門ケア加算の見直し、③行動・心理症状への対応及び認知症の評価尺度の活用
感染症への対応力強化…①平時からの対応、②施設内療養を行う高齢者施設等への対応
業務継続に向けた取組の強化等…①BCP未策定事業所に対する減算の導入、②災害対策における地域住民との連携の推進
LIFE…①入力項目の見直し及びフィードバックの充実、②自立支援・重度化防止を重視した適切な評価の見直し、③LIFE関連加算の対象となるサービス範囲
口腔・栄養…①訪問サービス、短期入所サービスにおける口腔管理の連携に対する評価、②介護保険施設入所者等の口腔管理の充実、③口腔衛生管理体制加算の見直し、④居宅療養管理指導(歯科衛生士が行う場合)における終末期がん患者等の利用者への対応、⑤医療と介護における栄養管理に関する情報連携、⑥再入所時栄養連携加算の対象の見直し
その他(高齢者虐待の防止)…①高齢者虐待防止の推進、②身体的拘束等の適正化の推進
その他(送迎)…送迎における取扱の明確化(通所系サービス)

 それぞれの論点にすいて事務局から対応策が示された。委員の意見はおおむね賛成であったが、認知症への対応力強化として事務局が提示した新たな加算「BPSDチームケア加算Ⅰ・Ⅱ」について、「BPSDという表現にはマイナスイメージがあり、世界的には使われない傾向にある。加算の名称を変更してほしい」との要望があった。

 また、身体拘束について「施設内での転倒予防のために行われることが多い。しかし転倒は必ず起こるもので、本人・家族の理解が不可欠。国民的理解が必要で、保険者が住民に周知することも求められる」との発言もあった。

このカテゴリーの最新の記事

このカテゴリはメンバーだけが閲覧できます。このカテゴリを表示するには、年会費(年間購読料) もしくは 月会費(月間購読料)を購入してサインアップしてください。

障害者雇用数が110万人に 23年度実態調査

 厚生労働省が昨年6月に実施した「令和5年度障害者雇用実態調査」によると、従業員規模5人以上の事業所に雇用されている障害者数は110 万7000 人で、前回調査に比べて25万6000人増加(2018年度は85万1000 人)し、全体的に障害者雇用は着実に進展していることが分かった。  内訳は身体障害者が52万6,000 人(同42万3000 人)、 知的障害者が27万5000人 (同18万9000人)、精神障害者が21万5000人(同20万人)、発達障害者が9万1000人(同3万9000 人)で、いずれも前回調査を上回った。...

新型コロナ治療薬「ゾコーバ錠」の薬価を継続

 中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)は3月22日、新型コロナ治療薬「ゾコーバ錠」について、緊急承認時の薬価を継続することを承認した。  塩野義製薬が製造・販売するゾコーバ錠は2022年11月に緊急承認され、23年3月に1錠7407.40円で薬価収載された。今月5日に通常承認されたことから、改めて薬価算定組織で検討していた。...

24年度診療報酬改定案を了承し答申 中医協

 中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)は2月14日、2024年度診療報酬改定案を了承し、武見敬三厚労相に答申した。  今回の改定では、医療従事者の賃上げに向け、初診料や再診料、入院基本料などを引き上げた。  初診料については、現行の288点から291点へ3点、再診料は現行の73点から75点へ2点引き上げる。  また、看護師や薬剤師など医師以外の医療従事者の賃金の改善を行う場合は初診料で6点、再診料では2点を評価する「外来・在宅ベースアップ評価料」が新設された。...

急性期入院料見直しで公益委員が裁定 中医協

 中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)は1月31日、来年度の診療報酬改定に向けた個別項目の議論を行い、急性期一般入院料1における平均在院日数の基準と重症度、医療・看護必要度の評価項目の見直しに関して、支払側委員と診療側委員の間で意見が真っ向から対立したため、公益委員が仲裁案を示し了承された。...

基本報酬、訪問介護は引き下げ 給付費分科会

 1月22日、第239回社会保障審議会介護給付費分科会が開催され、令和6年度介護報酬改定に向けて(介護報酬改定案について)議論し、改定案を了承した。  全体の改定率は+1.59%で、うち0.98%は介護職員の処遇改善に充てられる。施行時期は訪問介護・訪問リハビリテーション・居宅療養管理指導・通所リハビリテーションの4項目は診療報酬改定に合わせて6月1日。これら以外は4月1日となる。...

1週間無料でお試し購読ができます  詳しくはここをクリック

新着記事は1カ月無料で公開

有料記事は990円(税込)で1カ月読み放題

*1年間は1万1000円(同)

〈新着情報〉〈政策・審議会・統計〉〈業界の動き〉は無料

【アーカイブ】テーマ特集/対談・インタビュー

コラム一覧

【アーカイブ】現場ルポ/医療介護ビジネス新時代

アクセスランキング(4月22-28日)

  • 1位
  • 2位
  • 3位 90% 90%
メディカ出版 医療と介護Next バックナンバーのご案内

公式SNS