11月27日、第232回社会保障審議会介護給付費分科会が開催され、令和6年度(2024年度)介護報酬改定に向けて「認知症への対応力強化」「感染症への対応力強化」「業務継続に向けた取組の強化等」「LIFE」「口腔・栄養」「その他(高齢者虐待の防止、送迎)」について議論した。
それぞれの主な論点は以下の通り。
認知症への対応力強化…①通所介護の認知症加算の見直し、②訪問系の認知症専門ケア加算の見直し、③行動・心理症状への対応及び認知症の評価尺度の活用
感染症への対応力強化…①平時からの対応、②施設内療養を行う高齢者施設等への対応
業務継続に向けた取組の強化等…①BCP未策定事業所に対する減算の導入、②災害対策における地域住民との連携の推進
LIFE…①入力項目の見直し及びフィードバックの充実、②自立支援・重度化防止を重視した適切な評価の見直し、③LIFE関連加算の対象となるサービス範囲
口腔・栄養…①訪問サービス、短期入所サービスにおける口腔管理の連携に対する評価、②介護保険施設入所者等の口腔管理の充実、③口腔衛生管理体制加算の見直し、④居宅療養管理指導(歯科衛生士が行う場合)における終末期がん患者等の利用者への対応、⑤医療と介護における栄養管理に関する情報連携、⑥再入所時栄養連携加算の対象の見直し
その他(高齢者虐待の防止)…①高齢者虐待防止の推進、②身体的拘束等の適正化の推進
その他(送迎)…送迎における取扱の明確化(通所系サービス)
それぞれの論点にすいて事務局から対応策が示された。委員の意見はおおむね賛成であったが、認知症への対応力強化として事務局が提示した新たな加算「BPSDチームケア加算Ⅰ・Ⅱ」について、「BPSDという表現にはマイナスイメージがあり、世界的には使われない傾向にある。加算の名称を変更してほしい」との要望があった。
また、身体拘束について「施設内での転倒予防のために行われることが多い。しかし転倒は必ず起こるもので、本人・家族の理解が不可欠。国民的理解が必要で、保険者が住民に周知することも求められる」との発言もあった。