厚生労働省は1月21日、2022年度の公的年金支給額を前年度から0.4%引き下げると発表した。年金額改定の指標となる現役世代の賃金が下がったため。引き下げは2年連続で、6月に支給する4月分から反映される。
国民年金の支給額は6万4816円で前年度比259円減、厚生年金は夫婦2人のモデル世帯で21万9593円と同903円の減少となる。
年金額は前年度の物価変動率と3年度平均の賃金変動率に基づいて改定される。昨年4月に施行された年金制度改正で、現役世代の負担能力に応じた給付とするため、賃金が物価を下回る場合には、賃金に合わせて年金額を改定するルールが設けられた。
21日に総務省が発表した昨年の全国消費者物価指数で物価変動率が0.2%のマイナスとなり、それを基にした賃金変動率は0.4%のマイナスとなったため、同ルールにより0.4%引き下げることになった。