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第16回 マイナ保険証は高齢者を置き去りにしないか

第16回 マイナ保険証は高齢者を置き去りにしないか

■患者側のメリットは確かにある
 医療分野でも、いよいよ本格的なデジタルトランスフォーメーション(DX)化が始まりました。まずはマイナンバーカードを健康保険証として使用する、マイナ保険証の導入です。
 
 DXを取り入れることで業務を効率化し、医療費の無駄をなくして、患者に適正で質の高い医療を提供できる。市民は、より安全で安心な生活を送れるようになる。それが目標です。
 
 2023年4月には特例措置でマイナ保険証関連の医療費をさらに引き上げ、マイナ保険証を使えば患者自己負担も低くなる報酬改定を行っています。
 
 2022年10月より、マイナ保険証に対応した医療機関を受診した場合の医療費の負担について、利用した際は21円から6円に引き下げ、従来の健康保険証を利用した際は9円から12円に引き上げられました。
 
 患者側のメリットはほかにもあります。マイナンバーで情報を承認すると、「お薬手帳」に相当する処方内容や健康診断の結果などが閲覧でき、いつどこを受診されどのような処方であったか確認できます。それにより薬剤の重複や適正使用を確認できます。
 
 薬局薬剤師の役割も進化します。正しく調剤することだけでなく、得られた情報を吟味し、処方された薬剤が適切かどうかを検証し、問題があれば…

株式会社を設立しSCOP事業譲渡 善光会

株式会社を設立しSCOP事業譲渡 善光会

 社会福祉法人善光会はスマート介護プラットフォーム「SCOP」に関する事業を、新たに設立した株式会社善光総合研究所に譲渡した。  研究所の事業とSCOP事業、関連する事業を拡大する上で、資金調達面を含めた開発の加速化や中期的な事業戦略を見据えた経営資源投入の意思決定の柔軟性など、制度上、社会福祉法人では難しかった事業展開を行うことが目的。...

医療DX推進に関する議論を開始 中医協

医療DX推進に関する議論を開始 中医協

 中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)は4月16日、医療DX推進に関する議論を開始し、厚労省から5項目の論点が示された。  1点目は全国医療情報プラットフォームの構築や電子カルテ情報の標準化にあたり、標準規格化された3文書6情報の普及促進について。...

重症心身障害児と地域で歩む 「訪問の家」の50年②

重症心身障害児と地域で歩む 「訪問の家」の50年②

■「散歩に出ますか」への答え
髙橋 日浦さんは「文化としての社会福祉施設」ということを、しばしばおっしゃっています。とても印象深く、重要なキーワードでもあります。
 
名里 この言葉を説明するには、通所施設「朋」をつくった時のことからお話ししないといけません。
 
 先ほどお話ししたように、「朋」はもともと障害者のための作業所でした。当時の福祉制度には重度の障害児者の通所施設はなく、日浦は、重い障害がある人も、昼間通所して幅広い活動ができる場所が必要と考え、横浜市とも折衝していました。
 
 そうしたら横浜市から、そういう場所、すなわち知的障害者のための通所施設をつくったらどうですか、と打診されたのです。
 
 しかもその立地として、戦後、もとは山だった所を高級住宅地として開発した地域を提案されました。その一角が市の所有地だから、そこに通所施設を開設したらどうですかと。
 
 こちらとしてはありがたい話で、ではそうします、となります。ところが、地域住民の反対に遭うんですよ。地域全体が反対していると聞かされます。でも実は、後で聞いたら全然そうではなく、当時の自治会の役員が強硬に反対しておられました。
 
 役員は「福祉施設を建てるというが、文化施設ならいざ知らず、福祉施設はこの高級住宅地には馴染まない」という…

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第5回 判定ソフトの問題点を指摘し改修を求めた

第5回 判定ソフトの問題点を指摘し改修を求めた

 介護保険制度スタートに先立ち、要介護認定のリハーサル「高齢者介護サービス体制整備支援事業」(要介護認定のモデル事業)が1996年度、97年度、98年度(平成8~10年度)と3回実施された。武蔵野市は98年度の事業で一次判定の欠陥に気づく。
 
■「中間評価項目」に指摘が反映される
 98年度(平成10年度)モデル事業終了後、武蔵野市介護保険準備室は「平成10年度高齢者介護サービス体制整備支援事業 事業報告」をA4の冊子にまとめました。
 
 このなかに「平成10年度介護保険モデル事業の問題点・改善提案」という項目を設け、問題点とその改善提案を5ページ強にわたって記載しています。
 
 これを国や都に提出しました。さらに厚生省の山崎史郎さんや三浦公嗣さんを訪ね、「調査票データと一次判定の因果関係がわからず、市町村は市民からの疑問や苦情に答えられない。コンピュータ一次判定ソフトを99年10月からの準備要介護認定までに改修すべき」などと訴えました。
 
 国民誰もが納得しうる合理性のある要介護認定システムに変更しないと、このままでは介護保険制度そのものの信頼性が損なわれる、という危機感がありました。
 
 樹形モデルによって生じるブレをなんとかしないとダメだと考え、山崎さんたちと何度か協議しました。その結果、ブレを大きくしないために、コンピュータによる一次判定ソフトに…

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重症心身障害児と地域で歩む 「訪問の家」の50年①

重症心身障害児と地域で歩む 「訪問の家」の50年①

髙橋 今回のゲストは、横浜市の社会福祉法人「訪問の家」の名里晴美理事長です。「訪問の家」は障害者向けの通所施設やグループホーム、地域活動ホーム、多機能型拠点などの事業と、高齢者向け事業、それに診療所も運営し、先駆的な実践を次々に展開してきたことで知られています。
 
 「訪問の家」は、前身から数えると誕生から50年を過ぎました。創設者である日浦美智江前理事長は、重症心身障害児者の地域生活を先駆的に支援され、名里さんはその後継者です。本日は「訪問の家」の歩みを中心に、障害ある人とともに生きることについてお話しいただきたいと思います。
 
■スタートは「訪問学級」「母親学級」
名里 社会福祉法人「訪問の家」の発端は、1972年(昭和47年)にさかのぼります。この年、横浜市立中村小学校に訪問学級が開かれ、前理事長の日浦美智江がその母親グループの担当となりました。
 
 これは重症心身障害児の学級で、当時の言葉でいう養護学校の学級版とでもいいましょうか。特殊学級というのは、障害が比較的軽い子どもが対象なので。
 
髙橋 障害が重い子どもへの教育は、かつては盲学校・聾学校・養護学校に分かれていて、養護学校には知的障害・肢体不自由・病弱の子が通っていました。障害の軽い子は小中学校では特殊学級に通っていました。
 
 養護学校への就学が義務化されたのは1979年(昭和54年)ですから、中村小の訪問学級は義務化より7年も早かったわけですね。2007年度(平成19年度)より、盲学校・聾学校・養護学校は特別支援学校に、特殊学級は特別支援学級となって現在に至ります。
 
名里 市立小学校に訪問学級を設置し、重い障害のある子どもたちが通う、っていうことを、義務化に先んじて始めました。小学校の一室なので…

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眼内内視鏡・眼内照明保持ロボットを製品化

眼内内視鏡・眼内照明保持ロボットを製品化

 九州大学・東京工業大学・順天堂大学・山口大学とリバーフィールドが共同開発した、眼内内視鏡・眼内照明保持ロボット「OQrimo(オクリモ)」が製品化に成功した。  また、リバーフィールドによる医薬品医療機器総合機構(PMDA)への一般医療機器販売の届け出が4月13日に受理された。...

(下)新型コロナを超えて、次のステージへ

(下)新型コロナを超えて、次のステージへ

■リモートが普及して思わぬメリットも
 2018同時改定で、いい方向に歯車が動き出したと思っていました。しかし2020年春…。新型コロナが流行すると感染症法の「2類相当」となり、最初のころはすべて入院隔離だったから、病院は完全な鎖国状態になってしまいました。
 
【ケース3】ある病院では、プライバシー保護のため、看護師は患者を名前でなく番号で呼ぶことになっていた。2020年、コロナが流行して面会禁止に。あるナースは夜勤のとき、高齢の患者に対して「私の声がこの人の、人生の最後の声になるかもしれない」と思った。そう思ったら番号でなんか呼べなくなって、本人の耳元で、ほんとは近づいてはいけないのだろうけど、「Cさん」と呼びかけたという。「辛くないですか、そばにいるから、大丈夫だからね」と。長い時間ではないけど、そう声をかけて、部屋を後にした。
 
 この3年間、とりわけ病院ではコロナの感染対策が至上命題になって、いろいろなことが制限されました。病棟ナースたちは大事なことは何か、気づいたのではと思います。入院という環境がもたらす弊害とか、人として生きることを奪ってしまうとか。
 
 2021年になると、リハビリスタッフがリハの様子を撮影し、その動画を在宅スタッフに送って見てもらう、といったリモートでの連携が整ってきました。カンファレンスも…

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