■2040年とその先にむけたサービス基盤整備の方向性
第9期介護保険事業計画策定に向けた「基本指針(案)」の中で、厚生労働省が考え方として最初に言及しているのが「地域の実情に応じたサービス基盤の整備」です。
地域包括ケアシステムの当初の目標年度である2025年が、いよいよ目前に迫っていることもあり、今後の人口動態にあわせたサービス基盤整備が強調されています。
非常に簡単に整理すれば、今後は、介護需要が増加し続ける地域、一定期間増加した後ピークアウトする地域、継続的に需要が減少する地域の3つに整理される中、向こう数十年の需要予測をしながら基盤整備の方針を立てるべきであるということです。
住み慣れた地域を単位とした生活を前提とする以上、今後の介護サービス基盤の整備の主力は地域密着型サービスです。しかし、他方で、特別養護老人ホームなど、従来からある都道府県が指定する施設についても、議会や住民から整備に向けた根強い要望が出ることがあります。
国の基本指針案の中にも「特養など施設の整備に加え」といった記載があり…