NPO法人キープ・ママ・スマイリング(東京都中央区)が入院中の子どもに付き添った経験のある家族を対象に実施したアンケート調査の結果、ほとんどの人が厚生労働省のルールで本来禁止されている看護師の肩代わりとなる「労力提供型の付き添い」を行っていることが分かった。
この調査は2018年1月~2022年12月に0~17歳の子どもの入院に付き添っていた人を対象にインターネットで実施し、3000人以上の有効回答を得た。対象者には病室の泊まり込みだけでなく、面会・通いによる付き添いも含んでいる。
それによると、付き添い中に食事介助・排泄ケアを行ったことがあると回答した人は9割、入浴介助・服薬については8割の人が行った経験があうと回答した。これは労力提供型の付き添いに該当する。
さらに、気管切開ケアや人工呼吸器の管理、排淡ケア、口腔ケア、インスリン注射、腹膜透析、尿量の測定、脳波検査の発作マーキング、補助人工心臓装着に伴う消毒作業の補助など、医療的ケアを行った人がいたことも明らかになった。
付き添い入院については、希望する・しない以前に「付き添いが必須だった」人が全体の7割、病院から付き添い入院を「要請された」人が全体の8割を占めた。さらに、付き添い入院する際に付き添い願い書に署名して提出した人が7割いた。
親には付き添いに対する選択権が与えられず、希望していないにもかかわらず、体裁として親の希望で付き添っていたことになる。
また、「泊まり込んで付き添う理由を説明されたか」という質問に「説明を受けていなかった」と回答した人が5割弱おり、付き添い者の約半数は泊まり込んで付き添う理由について説明を受けていなかった。
付き添いの理由について説明を受けた人のうち、「マンパワー不足で看護師がすべての世話をできないから」という説明を受けた人も1割強いて、看護師不足により親に付き添ってもらわなければならない現状も示された。