厚生労働省は5月8日、新型コロナウイルス感染症の治療薬として特例承認された「レムデシビル」について、時限的・特例的に保険診療との併用を認めることを決めた。重症患者に対し投与が可能となる。患者負担はない。
同日持ち回りで開催された中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)の第457回総会で承認された。レムデシビルは保険適用の申請が行われていないため、通常は保険診療との併用が認められないが、今回は特例として認めることにした。
レムデシビルは米ギリアド・サイエンシズがエボラ出血熱の治療薬として開発したもので、新型コロナウイルスの治療にも効果があるとして、米国では1日、重症患者を対象に緊急使用が許可された。日本国内では4日に申請が行われ、7日に特例承認されていた。
今後はレムデシビルの一般的な流通が見込まれる。リアド・サイエンシズから保険適用の申請があった場合、速やかに対応する、との事務局の提案も承認された。一方、安全性に関する情報公開を求める意見が複数の委員から出された。