中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関)は10月11日、2024年秋の保険証廃止に伴う訪問看護ステーションのオンライン資格確認義務化について議論した。
委員からは事業所への技術的・財政的支援や利用者も含めた丁寧な説明あるいは制度の周知徹底を求める意見があったものの、異論は出なかった。
24年6月から訪看ステーションのオンライン請求と資格確認を開始する。それに伴い、導入に関する財政支援を実施する。
秋にはオンライン請求・資格確認ともに義務化する。システムやネットワーク環境、改築工事など、やむを得ない事情で導入が遅れる場合に対応するため、期限付きの経過措置を設ける。
例えば、義務化の2カ月前の月末までにシステム提供業者と契約を締結したものの、導入に必要なシステム整備が間に合わない場合は、整備が完了する日まで猶予される。
オンライン資格確認については、2回目以降の訪問では、再照会による確認を可能とする。このため、療養担当規則に法令上の資格確認方法として位置付ける。
再照会とは、医療機関がマイナンバーカードの本人確認により取得した資格情報を使い、被保険者であることの確認を受ける方法のこと。
また、システム導入に当たっては、マイナンバーカードの読み取り・資格確認のためのモバイル端末、ネットワーク環境の整備、レセプトコンピューターや電子カルテシステムなど既存のシステム改修を対象に、42万9000円を上限として実費補助を行う。
ただ、診療側委員から、医療機関・薬局でオンライン資格システム導入した際、補助額を上回る費用負担が発生したことから、小規模事業所が多い訪看ステーションの中には対応できない施設が出てくる恐れがあるとして、全面的な支援を行う必要性を指摘する意見が出ていた。