東北の医師偏在地域へ医療提供 医師10人募集

2021年 5月 28日

 宮城県を中心に在宅医療を提供する診療所を展開している医療法人社団やまとは、東北の医師偏在地域10カ所で医療を提供するため、医師10人を募集している。

 やまとは東日本大震災当時、東京大学医学部付属病院の外科医だった田上佑輔医師が、宮城県気仙沼市へ医療ボランティアとして関わったことをきっかけに、2013年4月に宮城県登米市に開業。当初から「医師不足地域で持続的に医療を提供する」ことを目指してきた。

 都市部と地方を繋ぐことで、医師が地方に移住しなくても地域医療を支えられる新たな仕組みを「やまとプロジェクト」と名付けて実践しており、5月現在、所属医師は常勤13人・非常勤40人程まで増えている。

 診療はチーム主治医制とし、複数の医師が交代で診療することで患者に不利益が生じないよう、クラウド型の電子カルテなどICTを活用した円滑な情報共有を実現した。

 また、通常の在宅医療は「医師1人」あるいは「医師と看護師の2人」というスタイルが一般的だが、「診療アシスタント」という、電子カルテの入力や診療補助、診療車の運転といった医療行為以外の業務を行う職種を採用し、医療者が診療に集中できる環境を整えた。

 さらに、医師・看護師・診療アシスタントが毎日カンファレンスを行うことで、患者の状態や生活背景まできめ細やかに把握できるようにしている。

 定期的な訪問に加え、緊急時には365日24時間体制で対応し、必要に応じて臨時往診や入院先の手配を行う。

 5月現在、やまとが運営する診療所は、宮城県3カ所、岩手県1カ所、神奈川県2カ所の計6カ所。在宅医療専門医研修施設の認定施設や日本プライマリ・ケア連合学会の総合診療専門研修プログラム連携施設にもなり、都市部と地方両方で学びたい若手医師も在籍している。

このカテゴリーの最新の記事

このカテゴリはメンバーだけが閲覧できます。このカテゴリを表示するには、年会費(年間購読料) もしくは 月会費(月間購読料)を購入してサインアップしてください。

新たなリハビリマットの体験評価で実証実験🆕

 ユカリア(東京都千代田区)とボディメトリクスジャパン(東京都新宿区)は、前橋市の善衆会病院で、ボディメトリクスジャパンのトレーニング・リハビリマット「メトリクスフォーム」を使ったリハビリテーションツールの体験評価に関する実証実験を行う。  高齢化社会の進展に伴い、膝関節全置換術(TKA)や股関節全置換術(THA)を受ける患者が増加している。これらの手術後のリハビリテーションは患者のQOL向上に不可欠だが、従来のリハビリテーションツールでは個々の患者の状態に最適化されたサポートが難しいという課題があった。...

サルコペニア予防へNMNと運動の影響を研究

 三菱商事ライフサイエンスは東京都健康長寿医療センター研究所・自立促進と精神保健研究チームと、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)摂取と運動が筋肉に及ぼす影響について共同研究を開始する。  筋肉量が減少している高齢者を対象に、主にNMNの成分摂取と運動が骨格筋の量と機能に及ぼす影響に関する検証と、加齢により変動する遺伝子の解析、睡眠・認知機能など老化に伴うQOL低下も含めた探索的な調査を実施する予定だ。...

車いす利用者の立ち上がり歩行支援機器を開発

 医療用品メーカーのダイヤ工業(岡山市)と有料老人ホーム事業などを全国展開するはれコーポレーション(同)は、車いすを必要とする要介護者が立ち上がって歩行できる「自立支援型サポートギア」の開発を行い、はれコーポレーションが運営する介護施設に導入する。
 
 自立支援型サポートギアは背中のコントローラーが入ったバッグと脚部につける人工筋肉で構成されている。コントローラーは重さが2kgで、介護者が持つ無線スイッチからの入力信号をバッグ内で読み取り…

1週間無料でお試し購読ができます  詳しくはここをクリック

新着記事は1カ月無料で公開

有料記事は990円(税込)で1カ月読み放題

*1年間は1万1000円(同)

〈新着情報〉〈政策・審議会・統計〉〈業界の動き〉は無料

【アーカイブ】テーマ特集/対談・インタビュー

コラム一覧

【アーカイブ】現場ルポ/医療介護ビジネス新時代

アクセスランキング(5月6日-12日)

  • 1位
  • 2位
  • 3位 90% 90%
メディカ出版 医療と介護Next バックナンバーのご案内

公式SNS