住友ベークライトは医療用レベルの脳波を簡便に測定できるデバイスを開発した。操作が簡単で、短時間でセットアップできることから、この技術を使ったデバイスをてんかん患者の脳波測定に活用することで、在宅医療の推進に貢献する。
このデバイスは東北大学病院ベッドサイドソリューションプログラムのアカデミック・サイエンス・ユニットを通してニーズの特定を行い、同病院てんかん科、国立精神・神経医療研究センター病院と共同で開発した。
同社はすでに金属電極並み(約20kΩ)の低い接触抵抗で脳波を測定可能な樹脂製柔軟ドライ電極の開発に成功していた。今回、脳波測定用樹脂製ドライ電極の先端にハイドロゲルを用いることで、頭の形や肌質を問わずに医療用レベルの脳波を測定することができるようになった。
2027年度までに国内で上市し、その後、米国市場への早期参入も視野に事業を進める。最初に、てんかん患者の脳波測定で事業化し、続いて介護など非医療分野でも市場開発を行う予定。
将来的にはこの技術を複数のアプリケーションに適用し、市場の開拓・売り上げの拡大を目指す。