富士通はカメラを使わず、ミリ波レーダーでプライバシーを保護しながら高度な見守りを実現する「ミリ波レーダ見守りシステム」の提供を開始した。介護施設やサ高住の居室、バリアフリートイレなど、プライバシー保護の観点からカメラ設置が難しい空間で利用者の安全を見守る。
同システムは人の動きに加え、呼吸や筋肉動作などの体振動までを点群データとして収集し、独自のAIで解析する。これにより、動きを検知することに特化したセンサーを活用した既存システムでは検知が難しい呼吸の微細な変化や体振動の異常といった身体の異変も含めて、異常事態を自動で検知する。
転倒だけでなく、その後の胸部の微細な振動まで捉えることができるため、従事者による速やかな対応が可能になる。また、カメラでの映像記録を行わないので、プライバシーを確保しつつ、夜間や早朝などの従事者が手薄になる時間帯でも、24時間体制での見守りや管理業務を支援する。
異常検知を必要とするさまざまなケースについて、事前に検知対象や範囲を設定することで、特定の条件下でアラートを発報する機能を搭載している。
例えば、転倒後に一定時間起き上がれない状態、特定の位置に長時間滞在している状態、夜間の睡眠時の異常や呼吸状態の悪化など、人の特定の動作や状況に応じてアラートを設定できる。
アラートの通知先を個別に設定することで、最適な担当者へ迅速にアラートを発報できることから、担当者が異常事態を見逃すことなく初期対応が可能となり、利用者の安全を最大限に確保する。