精神障害者と働くことで上司らの7割が前向きに

2024年 6月 27日

 パーソル総合研究所(東京都港区)が実施した「精神障害者雇用の現場マネジメントについての定量調査」で、精神障害者と働くことに対して、事前の想定よりもポジティブだったと感じている上司・同僚の割合が約7割だったことが分かった。

 同テーマで2回目となる今回の調査では、精神障害のある従業員と共に働く上司・同僚へのアンケート調査を実施した。調査対象となったのは精神障害者と働く上司220人、同僚509人、その他の障害者と働く上司348人、同僚1361人、障害以外の事情がある人と働く上司300人、同僚1000人。

 調査の結果、精神障害者と働くことに対して事前の想定よりもポジティブだったと感じている上司・同僚の割合が多かった一方、偏見の解消や多様性包摂の対応力・意識向上といったポジティブな波及効果を得るには、受け入れの成功が前提条件となっていたことも明らかになった。

 精神障害者の受け入れ成功度が低い群では、「障害者への偏見がなくなった」は半数未満、「多様な人と働きたくなった」は約3割と少ないが、受け入れ成功度が高い群では、いずれも約8割~9割が前向きな回答をしていた。

 なお、精神障害のある従業員の受け入れに成功している職場ほど、直属上司・同僚が、ダイバーシティや助け合いに肯定的な考え方や障害者雇用についての知識を持っており、直属上司による部下の能力開花、同僚の平等な対応といった支援的な行動をとっている。

 ただ、精神障害者と働く上司・同僚の約4割は「精神的な負担が大きいと感じる」とも回答。その他の障害や障害以外の事情がある部下・同僚と比べ、受け入れの負担を感じている割合が高かった。

 他方で、「できるだけサポートしたい」「負担をかけないよう気をつかう」といった肯定的感情も約8割と多かった。

このカテゴリーの最新の記事

このカテゴリはメンバーだけが閲覧できます。このカテゴリを表示するには、年会費(年間購読料) もしくは 月会費(月間購読料)を購入してサインアップしてください。

心疾患向けアプリがマイナポータル連携を開始🆕

 医療・ヘルスケア分野のアプリなどを開発するキュアコード(富山市)は、三重大学と共同開発を進める心疾患・心不全患者向けスマートフォンアプリ「ハートサイン」に、マイナポータルとの連携機能を追加した。  この機能により、ユーザーは自身の医療・健康情報をハートサイン内に自動で取り込むことができ、個人の健康管理と医療サポートがより効率的・高度に行えるようになる。...

“ホスピスホーム”分析レポート発行 タムラP🆕

 高齢者住宅のデータベースとコンサルティングを提供するタムラプランニングアンドオペレーティング(田村明孝社長)は、ホスピスホーム(同社は「緩和ケアホーム」と呼称)の実情に関する分析レポートを今月発行した。
 
 近年、入院期間短縮が促進され、医療機関以外の場所への訪問看護サービス需要が増大している。訪問看護の報酬は介護保険か医療保険から給付され(下図)、要介護・要支援認定者は介護保険が優先する。
 
 要介護・要支援認定者が医療保険で訪問看護サービスを受けるには、特定の病気・状態(末期がんや人工呼吸器使用など)に該当し主治医の指示が必要だ。

機内で座位姿勢を支えるベルトを共同開発

 ダイヤ工業(岡山市)と日本航空は、座位保持が困難な人や補助を必要とする人の座位姿勢をサポートするサポートベルトを共同開発し、運用を開始した。体幹を保つことができない人でも、この製品を装着することで座位姿勢を固定でき、空の旅を快適に過ごすことができる。
 
 座席のシートベルトを着用した状態で、上半身を座席に固定する。特に、身体が不自由な人や病気・ケガなどの理由により座位を保つことが困難で、補助が必要な人を対象としている。
 
 「ベストタイプ」と「ベルトタイプ」の2種類あり、体の状態に合わせて利用する。ベストタイプはベストのように着用し、前面(胸側)にあるバックルを締める。ベルトを座席の後ろで交差させた後、前面で面ファスナーを留める。腕を通すことが難しい場合には、左右別々にして、片方ずつ着用することもできる。

病院と患者をつなぐアプリの提供開始 ユカリア

 ユカリアは病院と患者のコミュニケーションを支援する、AIを活用したアプリ「ユカリアメルジュ」のサービス提供を開始した。  外来・入院・退院後の各シーンで患者・家族と病院をつなぎ、情報提供や各種説明をサポートすることで、医療従事者の負担軽減と患者の理解促進を目指す。  主な機能にはワクチンや検診の案内、治療内容の説明、術後のリハビリやセルフケアの方法の提供が含まれる。初診後すぐに案内を行い、入院前や退院後のフォローアップを行うことで、患者の治療体験を向上させる。...

すい臓がんなど早期発見へ MRI検査サービスを拡大

 ユカリアの完全子会社であるスマートスキャンは、MRI検査サービス「スマート脳ドック」を導入している一部施設に提供中の「がんドック」のメニューを順次拡大する。  これにより、進行するまで自覚症状が乏しく、発見が遅れがちなすい臓がん、前立腺がん、子宮・卵巣がんの早期発見にも対応できるようになる。...

1週間無料でお試し購読ができます  詳しくはここをクリック

新着記事は1カ月無料で公開

有料記事は990円(税込)で1カ月読み放題

*1年間は1万1000円(同)

〈新着情報〉〈政策・審議会・統計〉〈業界の動き〉は無料

【アーカイブ】テーマ特集/対談・インタビュー

コラム一覧

【アーカイブ】現場ルポ/医療介護ビジネス新時代

アクセスランキング(6月23-29日)

  • 1位
  • 2位
  • 3位 90% 90%
メディカ出版 医療と介護Next バックナンバーのご案内

公式SNS