パーソル総合研究所(東京都港区)が実施した「精神障害者雇用の現場マネジメントについての定量調査」で、精神障害者と働くことに対して、事前の想定よりもポジティブだったと感じている上司・同僚の割合が約7割だったことが分かった。
同テーマで2回目となる今回の調査では、精神障害のある従業員と共に働く上司・同僚へのアンケート調査を実施した。調査対象となったのは精神障害者と働く上司220人、同僚509人、その他の障害者と働く上司348人、同僚1361人、障害以外の事情がある人と働く上司300人、同僚1000人。
調査の結果、精神障害者と働くことに対して事前の想定よりもポジティブだったと感じている上司・同僚の割合が多かった一方、偏見の解消や多様性包摂の対応力・意識向上といったポジティブな波及効果を得るには、受け入れの成功が前提条件となっていたことも明らかになった。
精神障害者の受け入れ成功度が低い群では、「障害者への偏見がなくなった」は半数未満、「多様な人と働きたくなった」は約3割と少ないが、受け入れ成功度が高い群では、いずれも約8割~9割が前向きな回答をしていた。
なお、精神障害のある従業員の受け入れに成功している職場ほど、直属上司・同僚が、ダイバーシティや助け合いに肯定的な考え方や障害者雇用についての知識を持っており、直属上司による部下の能力開花、同僚の平等な対応といった支援的な行動をとっている。
ただ、精神障害者と働く上司・同僚の約4割は「精神的な負担が大きいと感じる」とも回答。その他の障害や障害以外の事情がある部下・同僚と比べ、受け入れの負担を感じている割合が高かった。
他方で、「できるだけサポートしたい」「負担をかけないよう気をつかう」といった肯定的感情も約8割と多かった。