日本RV協会(横浜市、JRVA)は石川県珠洲市からの要請を受け、能登半島地震の災害対策支援のため、会員企業のキャンピングカー数十台の貸与を決定した。
これらのキャンピングカーにより、被災地の復興を担う自治体職員と全国各地からの応援職員の宿泊場所となる「RVパーク村」を珠洲市内に設立する。最大120人を対象とし、期間は1~3カ月。今後、他の市町村にも拡大する予定だ。
キャンピングカーは災害時の災害指令者や医療・介護者の簡易宿泊所など、さまざまな用途で活用されている。現地到着後にすぐに利用できるという大きなメリットがあり、移動が容易なことから、余震を含む急な避難や立ち退きにも迅速に対応できる。
電気や水、ガスなどの生活に必要な設備を備えているため、災害時でも基本的な生活をすることが可能。トイレとシャワーが整った車両の場合は、衛生的な環境を維持しながら過ごすこともできる。
就寝スペースも備えているため、エコノミー症候群の予防にも役立つほか、パーソナルスペースが確保されていることから、ストレスや緊張からも解放される。災害時に不可欠な情報収集のための通信も、キャンピングカーの電力を活用することで行える。
東日本大震災では、キャンピングカーがボランティアの宿泊や休憩の場、災害対策本部の会議スペースとして活用された。
熊本地震でもJRVAから提供された3台のキャンピングカーが被災者の生活を支援し、医療用のキャンピングカーも用意され、医療活動にも寄与した。
そのほか、JRVAとして初となる包括連携協定を宮城県栗原市と締結するなど、観光振興と災害対策に関する取り組みも行っている。
会員企業と自治体との間でも、災害協定の締結が進んでおり、昨年12月時点で、全国で23件の災害協定が締結され、キャンピングカーを通じた災害対策の展開が広がっている。