大学と医学会を中心に、睡眠と健康の改善を目指す「一般社団法人日本睡眠協会」がこのほど発足した。高齢者や子ども、企業の経営者・従業員などに向けて睡眠や健康などに関する情報を発信するほか、政策提言を行う。
厚生労働省によると、日本人の5人に1人は睡眠に何らかの課題があり、OECDの調査でも、他の加盟国に比べ、日本人は最も睡眠時間を確保できていないことが示されているという。
また、2016年の米RAND研究所のレポートによれば、日本の睡眠不足による経済損失は15兆円/年、GDP比で世界最悪の2.9%にも上る。
こうした状況に対し、同協会では睡眠に関する科学的知見を大学・医学会を起点として発信し、日本での睡眠に関する状況を改善することを目指す。
日本睡眠学会の内村直尚理事長を協会の理事長とし、公衆衛生や高齢者の健康、子どもと睡眠などの専門家に加え、産業界からも理事を迎え、社会全体として健康の向上、経済的な損失を防ぐための取り組みを進めていく。