ファストドクターが自社のプラットフォームに登録している勤務医を対象に実施した「HPKIカードの取得状況と普及方法の把握」に関する調査によると、電子処方箋を取り扱うためのHPKIカードの取得率は約16%にとどまっていることが分かった。
全体の6割以上は必要性を認識していなかった。自社のプラットフォームに登録し、アンケート調査への協力が得られた20〜50代の医師277人を対象に調査した。
1月26日に運用が開始された電子処方箋は、複数の医療機関と薬局で処方・調剤された情報が参照できるため、重複投薬などをオンラインでチェックできる。
医師がオンライン診療で電子処方箋を取り扱うためには、HPKIカードによる「資格者確認」が必要となるが、調査では「認識している」が35.9%にとどまった。
取得状況については「取得している」が6.9%、「現在、審査または発行待ち」は9.4%となり、取得率は16.3%だった。
HPKIカードを取得していない医師を対象とした今後の取得意向については「今後、取得予定である」が39.8%である一方、「未定」が44.6%「取得予定はない」が15.6%と、取得意向が定まっていない傾向が示された。
取得意向がある医師に理由をたずねたところ(複数回答)、最も多いのは「今後の業務に必要な事を知ったから」で52.2%、次が「ファストドクターの指示・推薦により」が28.3%だった。
一方、取得しない主な理由(複数選択)の1位は「現状、業務に必要がない」が63.9%で最も多く、次いで「取得のメリットを感じていない」が44.5%だった。
調査により、HPKIカードの認知や必要性が浸透しておらず、電子処方箋の普及に課題が見えた。