エス・エム・エスの研究機関「高齢社会ラボ」が全国のケアマネジャー132人を対象に実施したケアマネジメント・プロセス実態調査によると、ケアプラン作成の際、サービス選定より適切な目標設定の方が、難易度が高いことが分かった。
同ラボは介護経営実態や法改正動向、介護従事者のキャリア・働き方、高齢者の実態など、高齢社会に関する調査・情報発信を行っている。
今回は東洋大学の高野龍昭准教授監修のもと、ケアマネジャーの行うケアマネジメント・プロセスの実態に関する調査を実施した。
ケアプラン作成時の考慮事項についての質問では、ほぼ毎回実現できている割合が高いのは「特定のサービス事業者に集中せずにサービス事業所を選定する」(81.1%)、「利用者の生活課題に合わせて適切なサービス事業所を選定する」(78.8%)などだった。
これに対し、「生活全般の解決すべき課題に対して、長期目標・短期目標・サービス内容を適切に設定する」は62.9%と比較的低く、サービス選定に比べ、適切な目標設定の方が難しいことが示された。
また、サービス担当者会議でのケアプラン内容に関する議論に関する質問では、「ほぼ必ずおこなわれている」が65.2%、「たまにおこなわれている」が31.7%で、必ずしも適切な議論ができているとは言えない結果となった。
モニタリングシートの作成については、「ほぼ必ずおこなわれている」が85.6%となり、高い確率で作成されていることが分かった。