厚生労働省の社会保障審議会(厚労相の諮問機関)医療保険部会は7月9日、医療保険制度改革に関する取りまとめを、今年末に延期することを承認した。
骨太方針と全世代型社会保障検討会議の中間報告などを踏まえ、今夏の取りまとめに向けて議論を進めてきたが、新型コロナ感染症の拡大に伴い、全世代型社会保障検討会議の最終報告の策定が年末にずれ込むことになったことから、医療制度改革の取りまとめも延期されることになった。
医療保険部会ではこれまで、後期高齢者の自己負担割合のあり方や大病院への患者集中を防ぐための定額負担の拡大、薬剤自己負担の引き上げなどについて議論を行ってきた。後期高齢者の自己負担割合のあり方では、一
オンラインで開催され記者は別室で傍聴した
定所得以上の高齢者について負担割合を2割とする方針が示されている。委員からは支持する意見が出る一方、原則1割を維持するべきとの意見もあった。
また、この日の会合では匿名レセプト情報等の提供に関する専門委員会の立ち上げも承認された。
昨年5月に成立した改正健康保険法により、医療保険レセプト情報などのデータベース(NDB)と介護保険レセプト情報などのデータベース(介護DB)の連結解析が可能になるとともに、公益目的での利用促進のため、研究機関など第三者への提供に関する規定の整備を行うことになった。
匿名レセプト情報等の提供に関する専門委員会は、第三者提供のルールを決めるほか、提供の申し出があった匿名データの利用について、目的や内容、成果の公表の有無などを踏まえて判断することになる。