厚生労働省の調査によると、6月の訪問介護事業所の廃業数が前年同月に比べ1割増加していることが分かった。4月の介護報酬改定で訪問介護の基本報酬が引き下げられたことも一因と見られそうだ。
都道府県・政令市・中核市129自治体に照会し、126自治体から回答を得た。その結果、廃止事業所数は133で、前年同月の119から11.8%増加した。
廃止の理由としては「人員不足・高齢化等」が48で最も多く、次いで「経営戦略上の事業所統廃合等」(27)「利用者不足・経営不振等」(26)「その他」(21)だった。「複数の理由」も11あった。経営主体別では、営利法人が94で全体の7割を占めている。
厚労省は来年度の概算要求で訪問介護における介護人材の確保に向けた事業に必要な経費を新たに計上する方針で、小規模な訪問介護等事業者が行う人材確保に向けた研修体系の整備、ヘルパーへの同行支援にかかわるかかり増し経費や経営改善に向けた取り組みなどを支援する。