厚生労働省が公表した2022年の雇用動向調査結果によると、「医療、福祉」分野の離職者数が、過去10年で初めて入職者数を上回った。
22年の医療・福祉分野の入職者数は113万8100人。一方、離職者数は121万人で、単純計算では「医療、福祉」分野の従業者数が7万1900人減少したことになり、医療・介護分野の人手不足を反映していると言えそうだ。
産業別に入職者数が多かったのは、「宿泊業、飲食サービス業」(168万2800人)、「卸売業、小売業」(130万4600人)、「医療、福祉」の順。一方、離職者数は「卸売業、小売業」(140万400人)、「宿泊業、飲食サービス業」(130万2300人)、「医療、福祉」の順だった。
ただ、これら3業種のうち「宿泊業、飲食サービス業」は入職者数が離職者数を上回り、「卸売業、小売業」は前年比で入職者数の増加幅が「宿泊業、飲食サービス業」に次いで大きく、離職する人も多いが入職する人も多いことを表している。
これに対し、「医療、福祉」は入職者数の増加幅はそれほど大きくない一方、離職者数が大幅増(15万3600人)となっていることが気がかりだ。
厚生労働省「 産業別入職者・離職者状況」を基に作成