厚生労働省の薬事・食品衛生審議会(厚労相の諮問機関)医薬品第一部会は12月22日、エーザイと米バイオジェンが共同開発したアルツハイマー病治療薬「アデュカヌマブ(販売名:アデュヘルム)」の製造販売について、再度審議することを決めた。
現時点で得られたデータから、有効性を明確に判断することが困難で、今後実施される適切なデザインの臨床試験の成績などに基づき、有効性と安全性について再検討し、その結果に応じて再度審議する必要があるとした。
判断を保留した理由として、申請の根拠とされた2つの国際共同第Ⅲ相試験の結果に一貫性がないこと、評価項目である脳内アミロイドβプラーク低下の臨床的意義が確立していないこと、投与によって脳の浮腫や出血などがみられることを挙げた。
今後、追加データなどが提出されれば、医薬品医療機器総合機構(PMDA)で審査を行い、改めて審議する予定だ。
アデュカヌマブについては、米食品医薬品局(FDA)が臨床試験の実施を条件に製造販売を承認する一方、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)は、承認しないことを勧告している。