次に社会保障に大きな影響を与える人口の動向を見てみましょう。
まず、少子化の問題があります。平成に入って早々に「1.57ショック」ということが言われました。これは1989年の合計特殊出生率1.57が1966年の丙午の年の異例に低かった合計特殊出生率1.58を下回り、関係者に衝撃を与えたからです。「少子化」という言葉が用いられるようになったのもこのころからです。その後も少子化の傾向はさらに深刻になり……【筆者紹介】中村秀一(なかむら・しゅういち)
医療介護福祉政策研究フォーラム理事長、国際医療福祉大学大学院教授。厚生労働省老健局長、社会・援護局長、内閣官房社会保障改革担当室長などを歴任。