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第21回(最終回) 介護保険と高齢者ケアの“これから”(下)🆕

第21回(最終回) 介護保険と高齢者ケアの“これから”(下)🆕

■外国人の受け入れ課題は
 
 私は「日本語を母国語としない介護人材」という言い方をしていますが、いわゆる外国人介護人材の活用もこれからの大きな課題だと思っています。
 
 ひと口に「外国人介護人材」と言っても、活動に基づき「EPA」「技能実習」「特定技能(介護は1号のみ)」「在留資格・介護」という4つのカテゴリーがあり、それぞれ日本語力や就労可能なサービス種別などが異なります。
 
 訪問系サービスは従来、4種類のうちEPA介護福祉士と在留資格・介護(=介護福祉士の資格をもつ)のみが従事できたのが、2025年4月から、「特定技能」「技能実習」について、〈介護職員初任者研修を修了+1年以上の現場経験あり〉の人には可能となりました。なので、訪問介護や訪問入浴の新たな戦力として期待する声も上がっています。
 
 ただし事業所が外国人を受け入れる際は、「在留資格・介護」の人を除き、受け入れ・サポート機関への支払いが必要です。文化、宗教、風習の違いなど、「多様性への理解」も求められます。
 
■求められる「人材への投資」
 日本が誇る質の高い介護を持続させるには、介護保険の社会保険スキームとは別な形で、人材確保の仕組みを作るしかないと思います。単に介護報酬を上げたり加算をつけたりするだけじゃなく、保険財源以外から「人材確保金」を投入することを提案します。
 
 特養や看多機など施設を整備する場合、建築にかかる費用には、サービス提供基盤の確保という名目で公的な補助が入ります。人材確保はサービス提供基盤の確保に繋がるわけですから、施設整備と同じように公的な補助金を投入しても問題ないのでは。もう介護報酬のみで…

遠隔リハビリ実現へ 上肢・肩甲骨運動データ公開🆕

遠隔リハビリ実現へ 上肢・肩甲骨運動データ公開🆕

 NEDOが進める「人工知能活用による革新的リモート技術開発事業」で、産業技術総合研究所(産総研)と京都大学、東京大学、セイコーエプソン、エブリハは、遠隔でリハビリテーションができる社会の実現に向けて、上肢・肩甲骨運動に特化した世界初のオープンデータセットを公開した。...

第21回(最終回) 介護保険と高齢者ケアの“これから”(下)🆕

第20回 介護保険と高齢者ケアの“これから”(上)🆕

■地域のニーズに対応して事業者とともにサービスを創る
 介護保険創設から25年。笹井さんは、「地域のニーズに対応して、行政として事業者、すなわちサービスを提供する立場の皆さんと一緒につくってきた、という思いが強い」と振り返る。
 
 介護保険制度がつくられた当時は、家族介護が限界を迎え、介護の社会化が求められていました。制度創設によって措置から保険に変わって25年、ドラスティックな変化もすっかり定着しました。国民にとっては医療・年金の国民皆保険制度とともに「あるのが当たり前の制度」となりました。
 
 これまでもお話ししたように、武蔵野市は措置の時代から地域のニーズに合わせて独自のサービスを組み立ててきました。介護保険導入後も、その伝統を生かしながら豊富なメニューを取り揃えています。仕組みを構築するときは、それなりに苦労しました。
 
 例えば「認知症高齢者見守り支援サービス」。これは武蔵野福祉公社のホームヘルプセンターが提供する武蔵野市独自の介護保険外サービスで、ヘルパーなど介助者が認知症の人と一緒に散歩したり、外食に出かけたり、自宅で趣味活動をしたり、というものです。
 
 介護保険サービスでは、ヘルパーなどの同行支援は日常生活に不可欠な外出(通院や食料品の買い物など)に限定され、それ以外の、喫茶店にコーヒーを飲みに行くような場合は使えません。「認知症高齢者見守り支援サービス」はそういう場合に使え、家族のレスパイトにもなります。
 
 このサービスをつくるときも、ホームヘルプセンターのサービス提供責任者(サ責)と細かく議論を重ねました。今もやりとりを覚えているんですけど、「認知症の方と一緒に外出して喫茶店に入ったとします。そのとき、同行ヘルパーのコーヒー代は誰が負担するんですか。ヘルパーの自腹なんですか」と質問されました。
 
 「それはやっぱり、本人か家族に負担してもらいましょう」「じゃあ、バスに乗って美術館に行く場合の…

ホーム紹介の実態提示 望ましいあり方検討会始まる🆕

ホーム紹介の実態提示 望ましいあり方検討会始まる🆕

 第1回有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会が4月14日に開催され、有料老人ホーム(以下、「有料」)の現状と課題、論点が提示された。

 
 「有料」の定義は、「老人を入居させ、①食事の提供、②介護(入浴・排泄・食事)の提供、③洗濯・掃除等の家事の供与、④健康管理、のいずれか(複数可)を提供している施設」であるため、基準を満たせば介護保険制度の「特定施設入居者生活介護」の給付対象にもなる。それがいわゆる「介護付き有料」だ。
 
 「介護付き有料」には介護保険施設のような設備基準や夜間の人員配置基準などが定められておらず、サービスの質をどう担保するかが課題とされてきた。

耳を塞がない「軟骨伝導ヘッドセット」を発売

耳を塞がない「軟骨伝導ヘッドセット」を発売

 サイエンスアーツ(東京都渋谷区)はオーディオテクニカ(東京都町田市)と共同開発した、耳を塞がない軟骨伝導ヘッドセット「Buddycom Open(バディコムオープン)」の販売を開始した。
 
 介護・医療・小売業界向けに設計され、現場でのスタッフ間の連携を強化しながら、周囲の音をしっかりと聞き取れるのが特長。
 
 従来のインカムイヤホンは耳を塞ぐため、入居者の小さな声や異変を聞き取りにくくなるという課題があった。また、有線イヤホンは業務中に引っかかるリスクがあり、現場での動きやすさを妨げる要因となっていた。
 
 Buddycom Openは、オーディオテクニカと連携し、快適な装着感と優れた音質を両立した。耳を塞がない構造により、入居者の声やナースコール、緊急アナウンスを聞き逃さずに…

介護記録とセンサー情報を統合するソフトが連携

介護記録とセンサー情報を統合するソフトが連携

 カナミックネットワーク(東京都渋谷区)の介護記録ソフト「カナミッククラウドサービス」と、トライト(東京都品川区)のグループ会社であるbright vie(愛知県名古屋市、ブライト・ヴィー)のさまざまなバイタル・見守りセンサーのデータを取得・分析する「ケアデータコネクト」が連携した。
 
 介護施設では業務効率化の取り組みの一環として、バイタル・見守りセンサーなどさまざまなセンサー群が使われている。
 
 しかし、IoT機器を複数利用することにより、どの情報を確認すればいいのかわからないという問題や、センサー情報の確認をした上でケアを行う際に記録に手間がかかるなど…

LINE WORKSと北見赤十字病院が連携協定

LINE WORKSと北見赤十字病院が連携協定

 LINE WORKS(東京都渋谷区)は、北海道北見市の北見赤十字病院と、オホーツク三次医療圏を中心とした地域貢献に関する包括的な連携・協力を推進するための連携協定を締結した。
 
 北見赤十字病院を含めた地域の医療機関との連携に「LINE WORKS」を活用し、診療と患者対応、患者の紹介や転院などの相談を行う。
 
 また、地域の介護・福祉施設間と医療機関間の連携にもLINE WORKSを通じて、患者対応の相談、患者の紹介・施設入所などの問い合わせを行う。医療機関内や介護・福祉機関内での各種情報共有ツールとしても活用する。

第56回 医療現場の「倫理上の問題」🆕

第56回 医療現場の「倫理上の問題」🆕

■「倫理上の問題で治療できない」?
 前回に続き、『透析を止めた日』(講談社、2024年11月刊)の話を続けたい。ノンフィクションライターの堀川惠子さんが、腎臓病で亡くなった夫・林新さんの闘病を綴った話題の本だ。
 
 肝臓にも病変が見つかり、肝腎同時移植が検討されたが、結局、主治医は移植見送りの判断をした、というくだりで、「倫理」という言葉が登場する。林さんは肝腎同時移植に一縷の望みを賭け、「最後の希望」と口にしていた。
 
 その直後に、主治医から移植断念を告げられてしまう。「移植しないなら、このまま輸血を続けることはもう……」と告げられ、林さんは〈目を見据えはっきりとした声で質した。「先生、それは、生きたいという僕の意志(原文ママ)に反して、治療をやめるということですか」〉。主治医は答える。〈「いえ、少しずつで……。ただ、このまま点滴を続けるのは倫理上の問題が……」〉。
 
 堀川さんが解説する。〈倫理上の問題――。つまり回復の見込みのなくなった患者を、これ以上、医療の力で生かし続けるわけにはいかないということだ〉。
 
 主治医は、このまま点滴を続けることには倫理上の問題がある、と言い、そのあとの言葉を濁しているが、つまり「倫理上の問題があるからもうこれ以上点滴もできない」という意味であろう。
 
 ちょっと待ってほしい。回復の見込みがなくなった患者を医療の力で生かし続けることが倫理に反するなら、在宅医療はできないということにならないか。在宅医療の対象は…

褥瘡進行度を評価するAI技術の特許を出願

褥瘡進行度を評価するAI技術の特許を出願

 フォーカスシステムズ(東京都品川区)は褥瘡評価ツール「DESIGN-R」の判定自動化に向けたAI技術について、鳥取大学と共同で特許出願した。  同社は2021年から同大医学部附属病院形成外科と共同で、スマートフォンなどで取得した褥瘡画像を解析し、DESIGN-Rを自動算出するAI技術の開発を進めてきた。...

常勤職員の基本給は1万円余増 給付費分科会

 第245回社会保障審議会介護給付費分科会が3月24日に開催され、令和6年度介護従事者処遇状況等調査の結果が報告された。  令和6(2024)年度介護従事者処遇状況等調査は特養、老健、訪問介護、通所介護など9種・1万3801施設・事業所を対象に、24年10月に行われた。...

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