前回の拙稿(令和の社会保障2 「新政権の誕生と社会保障」)で、「一定所得以上の後期高齢者の医療費の窓口負担の2割化」が前政権から引き継いだ課題となっていると書いた。11月になってこの議論が佳境に入っている。なお、本稿の執筆は12月8日段階である。現段階で政府・与党間の調整が難航し、12月4日に要諦されていた全世代型社会保障検討会議の開催は見送られ、12月8日といわれていた閣議決定も行われていない。
まずは、経緯から復習しておこう。2018年に閣議決定された「骨太方針2018」で19年度から21年度までは「基盤強化期間」とされ、この間の社会保障予算は「高齢化による増加分に相当する伸びに抑える」とされている。
2019年6月に閣議決定された「骨太方針2019」では、医療等について……