第3回 後期高齢者の窓口負担2割への引上げ問題(上)

2020年 12月 9日

■今年末が検討の期限
 前回の拙稿(令和の社会保障2 「新政権の誕生と社会保障」)で、「一定所得以上の後期高齢者の医療費の窓口負担の2割化」が前政権から引き継いだ課題となっていると書いた。11月になってこの議論が佳境に入っている。なお、本稿の執筆は12月8日段階である。現段階で政府・与党間の調整が難航し、12月4日に要諦されていた全世代型社会保障検討会議の開催は見送られ、12月8日といわれていた閣議決定も行われていない。
 まずは、経緯から復習しておこう。2018年に閣議決定された「骨太方針2018」で19年度から21年度までは「基盤強化期間」とされ、この間の社会保障予算は「高齢化による増加分に相当する伸びに抑える」とされている。
 2019年6月に閣議決定された「骨太方針2019」では、医療等について……
この記事は有料会員のみ閲覧できます。

このカテゴリーの最新の記事

このカテゴリはメンバーだけが閲覧できます。このカテゴリを表示するには、年会費(年間購読料) もしくは 月会費(月間購読料)を購入してサインアップしてください。

第18回 回復しない所得と貧困・格差問題―日本の課題―(下)

3 貧困・格差の問題
 以上のような状況の下で、日本は不平等社会になっているのだろうか。1990年代以降、経済の低迷が続く中で貧困・格差の問題が取り上げられるようになり、2006年1月には「月例経済報告等に関する関係閣僚会議」でも「経済的格差の動向」が議論されるようになった。
 厚生労働省では、3年に1度、所得再分配調査を実施し、ジニ係数…

この記事は有料会員のみ閲覧できます。

第17回 増大する社会保障費をどう賄うのか(3)

Ⅴ 給付と負担をめぐって
 「増大する社会保障費をどう賄うか」という問いに対し、これまでどのような議論が行われてきたのであろうか。
 前回で紹介した橋本内閣の財政構造改革が挫折した後に登場した小渕内閣において…

この記事は有料会員のみ閲覧できます。

第17回 増大する社会保障費をどう賄うのか(1)

 社会保障をめぐる論点について取り上げてみよう。最初のテーマは「増大する社会保障費をどう賄うか」である。
Ⅰ 社会保障費の動向
 議論の前提として、社会保障費の動向について確認しておきたい。2022年度の社会保障給付費(予算ベース)は…

この記事は有料会員のみ閲覧できます。

1週間無料でお試し購読ができます  詳しくはここをクリック

新着記事は1カ月無料で公開

有料記事は990円(税込)で1カ月読み放題

*1年間は1万1000円(同)

〈新着情報〉〈政策・審議会・統計〉〈業界の動き〉は無料

【アーカイブ】テーマ特集/対談・インタビュー

コラム一覧

【アーカイブ】現場ルポ/医療介護ビジネス新時代

アクセスランキング(3月18-24日)

  • 1位
  • 2位
  • 3位 90% 90%
メディカ出版 医療と介護Next バックナンバーのご案内

公式SNS