PHCホールディングス傘下のウィーメックス(東京都渋谷区)のリアルタイム遠隔医療システム「Teladoc HEALTH」が、鳥取大学医学部付属病院(米子市)と安来市立病院が実施する病病連携で活用されることになった。試験運用が11月から始まり、来年4月からの本格運用を予定している。
同システムは今年4月にウィーメックスが安来市に「企業版ふるさと納税」を活用して寄付したもので、同システムを使った病病連携が実施されるのは鳥取県で初めて。
同システムは専門医の少ない医療機関と遠隔地の専門医をオンラインでつなぐ。使う際の操作や接続が簡単に行えるインターフェースを備え、遠隔地の医師も現場の医療スタッフも、必要なタイミングで素早く接続することができる。
医師主導の遠隔操作でカメラのズームや垂直・水平回転が行え、聴診器、超音波診断装置、ウェアラブルカメラなどの外部機器と接続し、遠隔地にいる医師のリアルタイムな情報の取得をサポートする。
独自の通信技術により、インターネットの通信速度に影響されにくく、必要な画質を確保。2要素認証とTLS1.2暗号化通信(高セキュリティ型)の組み合わせと、医療情報をクラウドに保存しない設計でセキュリティリスクを最小化している。
連携では鳥取大学病院はアプリを通じて、安来市立病院のTeladoc HEALTHデバイスにアクセスし、救急外来の遠隔支援やカルテ情報をもとに遠隔コンサルテーションを行う。
救急外来の遠隔支援では、安来市立病院から支援依頼があった場合、同病院の救急外来に設置されたデバイスに鳥取大学病院の救急専門医が接続し、現場の医師・医療従事者を支援する。
また、診療情報提供書や鳥取県が運営する医療情報ネットワークシステム「おしどりネット」を使ったカルテ情報の閲覧を活用し、鳥取大学病院の医師が、安来市立病院の医師に遠隔コンサルテーションを実施する。
なお、連携は鳥取大学病院高度救命救急センターの上田敬博教授が作成した「遠隔医療に関するコンサルテーションガイドライン」をもとに運用される。