第1回有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会が4月14日に開催され、有料老人ホーム(以下、「有料」)の現状と課題、論点が提示された。

第1回有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会 資料3より
「有料」の定義は、「老人を入居させ、①食事の提供、②介護(入浴・排泄・食事)の提供、③洗濯・掃除等の家事の供与、④健康管理、のいずれか(複数可)を提供している施設」であるため、基準を満たせば介護保険制度の「特定施設入居者生活介護」の給付対象にもなる。それがいわゆる「介護付き有料」だ。
「介護付き有料」には介護保険施設のような設備基準や夜間の人員配置基準などが定められておらず、サービスの質をどう担保するかが課題とされてきた。
「有料」をめぐっては近年、高齢者虐待の増加や職員の一斉退職といった問題が取り沙汰される。最近は紹介事業者が施設から高額な紹介料を得る「紹介ビジネス」が報道され、「まるで人身売買」と批判されている。
2020年度老健事業「高齢者向け住まいにおける運営実態の多様化に関する実態調査研究」では、「介護付き有料」は紹介業者による紹介での入居がおよそ4分の1と、他の類型と比べ最多であったことも示された。

第1回有料老人ホームにおける望ましいサービス提供のあり方に関する検討会 資料3より
事務局は「有料」を取り巻く課題として、①運営及びサービス提供のあり方、②指導監督のあり方、③いわゆる「囲い込み」対策のあり方、を指摘。介護保険部会での意見もふまえ、今後、「有料」のサービスの質の確保、利用者による適切な選択、指導監督のあり方、囲い込み対策など幅広く議論する予定。