入院中の子どもの付き添いが労力提供型と判明

2023年 6月 6日

 NPO法人キープ・ママ・スマイリング(東京都中央区)が入院中の子どもに付き添った経験のある家族を対象に実施したアンケート調査の結果、ほとんどの人が厚生労働省のルールで本来禁止されている看護師の肩代わりとなる「労力提供型の付き添い」を行っていることが分かった。

 この調査は2018年1月~2022年12月に0~17歳の子どもの入院に付き添っていた人を対象にインターネットで実施し、3000人以上の有効回答を得た。対象者には病室の泊まり込みだけでなく、面会・通いによる付き添いも含んでいる。

 それによると、付き添い中に食事介助・排泄ケアを行ったことがあると回答した人は9割、入浴介助・服薬については8割の人が行った経験があうと回答した。これは労力提供型の付き添いに該当する。

 さらに、気管切開ケアや人工呼吸器の管理、排淡ケア、口腔ケア、インスリン注射、腹膜透析、尿量の測定、脳波検査の発作マーキング、補助人工心臓装着に伴う消毒作業の補助など、医療的ケアを行った人がいたことも明らかになった。

 付き添い入院については、希望する・しない以前に「付き添いが必須だった」人が全体の7割、病院から付き添い入院を「要請された」人が全体の8割を占めた。さらに、付き添い入院する際に付き添い願い書に署名して提出した人が7割いた。

 親には付き添いに対する選択権が与えられず、希望していないにもかかわらず、体裁として親の希望で付き添っていたことになる。

 また、「泊まり込んで付き添う理由を説明されたか」という質問に「説明を受けていなかった」と回答した人が5割弱おり、付き添い者の約半数は泊まり込んで付き添う理由について説明を受けていなかった。

 付き添いの理由について説明を受けた人のうち、「マンパワー不足で看護師がすべての世話をできないから」という説明を受けた人も1割強いて、看護師不足により親に付き添ってもらわなければならない現状も示された。

このカテゴリーの最新の記事

このカテゴリはメンバーだけが閲覧できます。このカテゴリを表示するには、年会費(年間購読料) もしくは 月会費(月間購読料)を購入してサインアップしてください。

病院向け「miramos」の提供開始 コニカミノルタ🆕

 コニカミノルタQOLソリューションズは、AI搭載シフト自動作成サービス「miramos(ミラモス)」の病院向け製品の提供を開始する。  miramosは、スマートフォンで収集したスタッフの希望休日や組み合わせ、夜勤などの勤務形態、人員基準や加算の要件など、複雑・多岐にわたる条件をもとに、特許出願中の技術を使い、AIがシフトを作成するクラウドサービス。...

コミュニティ型資源回収で要介護リスクが低下

 千葉大学予防医学センターの阿部紀之特任研究員らの研究チームが互助共助コミュニティ型資源回収ステーション(コミュニティ拠点)の利用と、高齢者の要介護リスクとの関連を検証したところ、コミュニティ拠点利用者は非利用者に比べ、要支援・要介護リスクが約15%低いことが明らかになった。  さらに、外出機会・人との交流・地域活動への参加機会が増加し、コミュニティ拠点は単なる資源回収ステーションではなく、日常生活に根差した交流の場としての役割を果たしていることを示した。...

おむつパック機の後継機を発売 ケアフォート

 ケアフォート(東京都千代田区)は、医療や介護などの現場で使われている使用済みおむつパック機「エコムシュウ」の後継機を発売した。バッテリー交換を現場で行いたいとの要望を受け、従来の内臓バッテリータイプから外付けバッテリータイプへと変更した。
 
 通常のおむつ交換だけでなく、災害時にも使えるよう、予備バッテリーを1個付属した。使用中のバッテリーが切れた場合でも、予備バッテリーを使用している間に、空のバッテリーを専用充電器で充電できる。充電1時間で連続2時間半稼働する。バッテリー単体での購入も可能だ。

2地域で「ゴイッショ」の実証実験 ダイハツ

 ダイハツ工業は11月4日から新たに神戸市と茨城県東海村の2地域で、福祉介護・共同送迎サービス「ゴイッショ」の実証実験を開始した。28日まで実施する。  同サービスは、複数のデイサービスの送迎業務を外部に委託し、共同運行することで業務効率化を図り、介護人材不足の解消と高齢者の移動手段の確保を支援する仕組み。  2022年4月から全国の地方自治体向けに提供を開始し、現在は香川県三豊市、滋賀県野洲市で正式運行されている。...

介護向け小型汚物除去機にグッドデザイン賞

 TOSEI(東京都品川区)が販売するスウェーデンのエレクトロラックス・プロフェッショナル」製の介護現場向け小型汚物除去機「汚物ミニ」が、2025年度グッドデザイン賞のベスト100に選出された。
 
 介護・医療現場における汚物処理という重労働を、設置性・衛生・運用の3点から再設計したことが評価された。
 
 100V電源を使用。専用ドラムを搭載した小型業務用設計とすることで、汚物除去機をコンパクト化した。これにより、家庭用洗濯機の替わりに設置して使うことができる。

1週間無料でお試し購読ができます  詳しくはここをクリック

新着記事は1カ月無料で公開

有料記事は990円(税込)で1カ月読み放題

*1年間は1万1000円(同)

〈新着情報〉〈政策・審議会・統計〉〈業界の動き〉は無料

【アーカイブ】テーマ特集/対談・インタビュー

コラム一覧

【アーカイブ】現場ルポ/医療介護ビジネス新時代

アクセスランキング(12月1-7日)

  • 1位
  • 2位
  • 3位 90% 90%
メディカ出版 医療と介護Next バックナンバーのご案内

公式SNS