日本財団は「難病の子どもとその家族を支えるプログラム」により、熊本市に「医療型特定短期入所施設はっぴぃかぼちゃん」を開設した。国内で初めて「気道クリアランス」と「歯科による口腔ケア」を合体させた施設となっており、地元の医療法人おがた会が運営する。
開業した1998年から小児在宅人工呼吸療法を提供してきたおがた会では、「気道クリアランスができる人材の育成」「安心を提供し、喜ばれるお預かり施設を増やす」「ご家族亡き後の、終の棲家の提供」を目標に活動を行っている。
今回の施設では「口腔ケアと気道クリアランスで肺炎予防」をコンセプトに、医療的ケア児と重度心身障害児(者)を対象として、医療型短期入所や呼吸器リハ、在宅支援、口腔ケア、相談支援などを行う。
具体的には、訪問型歯科クリニックと連携して子どもたちの口腔ケアを行い、誤嚥性肺炎の防止を目指す。
また、e-スポーツを経験することで自分の可能性に気づき、人工呼吸器があってもシステムエンジニアや介護施設の運営、将棋の熊本県代表になる難病の子どもが出てきていることから、e-スポーツセンターも設けた。
さらに、地震の発生に備えて無停電電源装置と4t分の水タンクを整備しているほか、コロナ禍での感染対策として外部との接触を防ぐ工夫も行っている。
難病の子どもとその家族を支えるプログラムでは、医療・福祉・教育などの各機関を連携する拠点(地域連携ハブ拠点)を全国に30カ所設けることを目指しており、今回の施設は28拠点目となる。