JKK東京(東京都住宅供給公社)は、小金井市の「小金井本町住宅」の団地再生事業で、新築賃貸住宅「カーメスト武蔵小金井」内にJKK初となる「シニア住宅」を整備した。同住宅はバリアフリー設計とし、見守りサービスを付けて提供するサービスを限定することで、これまで供給してきたサ高住に比べ家賃負担の軽減を図った。また、住民が無料で使用できる「シェアリビング」を設けて世代交流を図るなど、高齢者向け住宅の新たな形を提示している。
■市の要望を受けシニア住宅を提案
小金井本町住宅は最寄り駅であるJR中央線武蔵小金井駅から歩いて約15分、同駅からのバスで約9分の中規模団地である。1960~61年に830戸が建設されたが、老朽化によって一部が建て替えられることになり、2020年からJKKと小金井市が団地のあり方について協議を開始した。
その中で、同市から示されたのが、同地区の高い高齢化率を反映した「高齢者が安心して暮らせるような福祉施設を整備する」という要望だった。
JKKではそれを受けて検討を行い、福祉施設だけでなく、「高齢者が低廉な負担で、住み慣れた地域で安心して住み続けられるような団地の建替事業」という構想の下、シニア住宅の建設を提案した。
さらに、手狭で交通アクセスが良好ではなかった「小金井にし地域包括支援センター」を移設する案も提示。協議の結果、これらの施設・住宅の建設が決まり「小金井本町あんしん住まいプロジェクト」として計画がスタートした。
第1弾として高齢者福祉施設「本町けやきの杜」が2023年8月にオープンした。第2弾として賃貸住宅「カーメスト武蔵小金井」内のシニア住宅40戸が竣工し、昨年12月から入居者の募集を開始。第3弾では一般住宅棟に併設して建設された地域包括支援センターが…
