医療法人桜樹会(神奈川県逗子市)はこのほど、「さくらぎ群馬いきいき歯科」(前橋市)を開院した。8月1日から診療を始め、自力で歯科へ通院できない患者を対象に、主に入居施設を訪問して歯科医療を行う。
同会は訪問歯科ブランド「デンタルクルーズ」により全国に20医院を設け、月間約1万4000人の患者に訪問診療を行っている。
今回、群馬県に開設したのは、高齢化率が全国平均を上回っている上、訪問歯科に注力している医院が少ないため。総務省統計局の人口推計によると、群馬県の2018年の65歳以上の高齢者人口は57万4000人で、高齢化率は29.4%。全国の高齢化率28.1%より高く、日本の中でも高齢化が進んでいる地域だという。
デンタルクルーズは2023年で訪問歯科30周年を迎えるパイオニアの医療法人社団高輪会が主体となり、同じく訪問歯科を行う医療法人桜樹会と連携して運営している。両法人が協力して情報共有や勉強会などを行い、スキルアップに努めている。
高齢者歯科に特化した豊富な経験を基に、歯科治療・入れ歯調整・口腔内清掃(口腔ケア)といった一般的な診療のほか、口周りのマッサージやリハビリの実施、最適な食事形態や食事介助方法のアドバイスも行う。
歯科医師と歯科衛生士に加え、摂食嚥下リハビリの専門家である言語聴覚士が在籍し、それぞれの強みを活かした多角的で質の高い診療を行っている。
口から食べることの可否や最適な食事形態を見極める手段として、食べる・飲み込む動作を直接観察できるVE(嚥下内視鏡検査)も行っており、2019年は年間353件実施した。
なお、さくらぎ群馬いきいき歯科には、歯科医師1人、歯科衛生士5人がおり、歯科衛生士の女性スタッフについては、仕事と子育て・介護などを両立できるようサポートする。