JVCケンウッドは、非常発報システム「浴室あんしん安全システム」を開発した。超音波センサーにより入浴者の頭部位置を計測することで、浴室内死亡事故のリスクを低減する。
独自の超音波を中心としたセンシング技術により、入浴者の頭部位置の変化を約3秒で検知する。音声アラームにより意識の有無を確認した後、約18秒で外部に発報し、早期の救命活動の可能性を高める。
同社ではこのシステムを、ハウスメーカーや浴室・浴槽メーカー、発報を受けて駆け付ける警備会社などに提案する。
同社によると、浴室での国内年間死亡事故数は約1万9000人で、交通死亡事故の約5倍の発生件数となっている。また、新型コロナウイルスの感染拡大により、介護施設や銭湯などの利用を控え、やむを得ず自宅入浴となるケースも増えており、今後、事故数がさらに増えることが想定されるという。
こうした中、同社はこれまでの音響関連製品の開発で培った超音波技術を活用し、浴室あんしん安全システムを開発した。これにより危険状態の早期検出を実現し、救助者が救命に駆け付ける時間の大幅な短縮を目指す。